ビオトープ管理士 資格取得のための通信講座    
ビオトープ管理士のためのビオトープ管理者養成通信講座 人と自然の研究所


ビオトープ現場研修会実施報告


第81回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ :樹林環境の順応的管理 ―

1月の研修会では、ホトケドジョウの生息環境再生のための樹木の除伐を行いました。
また、皆伐更新区域での管理作業は雨のため中止し、来年度の活動計画を話し合いました。




24年最初の現場研修は、とても寒くあいにくの雨でしたが、マガモやカルガモは元気に泳いでいました。




さっそく北谷戸へ移動し、前回に引き続きホトケドジョウのビオトープ再生のための間伐作業開始です。
ホトケドジョウは、水温が低く流れが緩やかな川や湿地に生息し、水草や水中の枯草などに卵を産みます。
現在の谷戸は樹木に覆われているため全体的に暗く、水路にも陽の光が届かず、
産卵に必要な水草も育ちにくい環境になってしまっています。




         

なので、常緑樹のシラカシ・ヒサカキを間伐し、
ホトケドジョウを含む多くの生きものが暮らしやすい水路を目指し、作業を行っていきます。






斜面に生えている樹木は、切り倒しやすいように木が傾いている方向とは逆側から伐っていきます。
細い樹木は切り倒すのが簡単そうと思うかもしれませんが、
高く成長している樹木は細くても伐るのは大変で、実際はかなり力の要る作業になります。

 



         
間伐した樹木は谷戸の水路の管理や公園の補修などに使用され、
枝や葉は木の根元などにまとめておき、土壌生物に分解してもらい、土に戻します。

 



これまでの作業の成果か、陽の当たるようになった水路にはセリなどの植物が見られるようになりました。
作業を行った成果が目に見える形で表れると、これまでの努力が報われる気がします。




雨が止まなかったため午後の皆伐更新区域での作業は中止し、去年11月に開催された谷戸山まつりの振り返りと、
来年度の作業計画を話し合いました。

来年度の作業では、樹林の更新、ホトケドジョウのビオトープ再生の他、過去に実施した
水鳥の池の掻掘りを夏〜初秋の間に行いたいとのお話が講師からありました。

現在の水鳥の池は、以前掻掘りをしてから約3年経っているので、土砂や落ち葉などが堆積
してしまっていると考えられます。また、浅瀬に木の杭柵を打ってしまっているため水辺移行帯が無く、
水草も減ってきています。


そこで、池の底に溜まった泥の除去や、水辺移行帯をつくるなどの作業を行っていこうということになりました。


より良い作業を行うために、掻掘り前に、水鳥の池の現状を調査し、
過去の掻掘りデータを比較するなどして最善策を話し合いたいとのことでした。
その他に、水鳥の池の掻掘りを通して、市民の方にも生きもののサポートを
呼び掛けるきっかけ作りに繋がればいいといった意見が出されました。


今後の研修会で引き続き検討を重ねていきたいと思います。

 


これで今回の研修会は終わりです。 2月も引き続き、「樹林環境の順応的管理」というテーマで皆伐更新地区の順応的管理と、ホトケドジョウのビオトープ再生を行う予定です。 来年度は水鳥の池の掻掘りなど、普段あまり体験することができない研修も計画しております。少しでも興味をお持ちいただけたなら是非参加ください。


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第80回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ :樹林環境の順応的管理 ―

12月の研修会では皆伐更新区域での更新阻害植物の駆除・除去と、
ホトケドジョウの生息環境再生のための樹木の除伐を行いました。




早朝には氷点下まで気温が下がった12月の谷戸山公園現場研修会。
湿生生態園の池は、一面氷に覆われていました。




はじめに講師から、今回の研修内容や公園管理方針などの説明があります。
この他に、保育園でビオトープを造成した事例の紹介もありました。
このように実際のビオトープの仕事の話を聞くことも、勉強になります。





午前は、去年の2月に皆伐をした樹林地の管理作業です。
萌芽更新により、森林の若返りを期待します。






先月に引き続き、裸地などの先駆種で生長の早いアカメガシワ、カラスザンショウ、イヌザンショウ、ハリエンジュなどを除伐しました。
このまま放置すれば、この樹林地はこれらの成長の早い種で覆われ、
地表や新たな芽などに光が届かなくなってしまい、期待していた森林の更新が進まないのです。

 



         
こちらはアカメガシワ。葉が互生で葉柄が赤いのが特徴ですが、この時期は葉を落としているものもあります。
でも、この特徴的な冬芽で見分けられますね。
よく似ているクサギは、葉が対生です。

 


         
イヌザンショウは、トゲが互生。よく似ているサンショウは、対生です。




先月まで多く見られたハリエンジュ。研修当日は一見目立たなくなっていました。
しかし、根は残っているので、今後も繁茂しないよう注意が必要です。


         
作業の合間に、気になった生きものを図鑑で調べます。
右はハラビロカマキリの卵塊です。


         
秋のような高い空と暖かな陽射しに、畔で日向ぼっこするアキアカネも見られました。



午後は恒例の気になる環境に関する記事の発表からです。
それぞれ環境に関する記事を持ち寄り、気になった理由や自分の考えなどを発表しました。



その後北谷戸へ移動し、ホトケドジョウのビオトープ再生のための間伐作業を行いました。


         
緩やかな流れに暮らすホトケドジョウですが、北谷戸には産卵環境となる水草や溜まりが不足しています。
人々が里山を放棄したことで失われたこれらのホトケドジョウの生息環境を復元するため、
水路を覆うヒサカキやシラカシなどの常緑樹を間伐し、水路に水草が生えやすい環境を整えます。



伐採後は、まとめやすいように枝を伐り落とします。



伐った枝葉はまとめます。上に重い幹を載せるなどして、隙間がないようにすると、腐食しやすいようです。
また、既に腐食している枝を間に入れるのも、腐食が進みやすいそうです。

これで、今回の研修会は終了です。1月も引き続き、皆伐更新における樹林環境の順応的管理を行う予定です。皆伐から、もうすぐ一年を迎えます。はじめての方も、そうでない方も、皆伐後の樹林の経過を実際に見て、体感できるいい機会ですので、ぜひご参加ください。


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第79回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ :市民参加プログラムシミュレーションと樹林環境の順応的管理 ―

11月の研修会では雨のために樹林環境の管理作業が中止となり、
1週間後に迫る谷戸山公園まつりで実施する市民参加プログラムの
シミュレーションを1日かけて行いました。



         
田んぼでは刈り取りを終えた稲の株から、新しい芽が出ていました。
この稲のひこばえは、稲孫(ひつじ)と呼ばれ、古くから秋の季語として親しまれています。
稲刈りを早い時期に行う地域では稲穂まで実るため、
人が入らなくなった田んぼで鳥たちがゆっくり実りにありつけるようです。



                
里山体験館の中に集まり、早速谷戸山公園まつりの準備です。
まずはチームに分かれて細かい打合せを行います。





その後、全員で机を囲んで全体の打合せです。
今年の出展内容は、どんぐりのプログラム、土壌生物のプログラム、
そして紙芝居とペレットストーブを使った森のプログラムです。
チームごとに内容を説明し、意見や質問を出し合いました。





         
お昼には、森のプログラムで使う、きりん君Uというペレットストーブを実際に動かして、
どのように使用するか見せてもらいました。
ペレットストーブとはバイオマス燃料である木質燃料(木質ペレット)を使ったストーブのことです。
木材が搬出される過程で、間伐材や端材やおがくずなどは必ず出ますが、
再利用が難しく今まで多くのものが廃棄されてきました。
それらを活用したペレットストーブは環境に優しく、かつ木材の再利用と林業の活性化が期待されます。

 



         
火を付けると煙突から煙が出てきました。最初は煙が出ますが、安定するとすぐに治まります。
バケット一杯の木質ペレットで、1時間ほど燃焼が持続されるそうです。

 


         
予想以上の火力で、試作したピザはとてもおいしく出来上がりました。
今回はバケット1杯半ほどのペレットを使用しましたが、
燃焼後の灰は少量になるため、処理も難しくありません。



         
午後はどんぐりと土壌生物のプログラムのシミュレーションを行いました。
チーム以外の人をお客さんとして、実際の流れにそってプログラムを進めます。
意見をもらうことで、本番に向けての課題が見えていきます。





里山体験館に戻り、講師からまつり当日についての説明の後、研修会は終了です。

 


12月の研修会では皆伐更新区域の管理作業を行う予定です。研修会の内容は単一ではなく、年間を通して色々な側面から現場での経験や知識を体得できます。皆様のご参加をお待ちしています。


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第78回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 水辺・樹林環境の順応的管理 ―

10月の研修会は、湿生生態園のヨシ刈り及び植物観察と、
皆伐更新区域での更新阻害植物の駆除・除去、
11月27日に行われる谷戸山公園まつりの企画内容について話し合いました。



         
谷戸山公園の景色は秋一色に変わりました。心地いい日差しを浴びて金色に光る稲穂は刈り取りの時期を迎えます。
田んぼの半分の稲は、すでに稲木に干されていました。



まずは講師から研修内容の説明があり、研修会が始まります。



                
午前は湿生生態園の管理作業です。
花は先月よりも少なくなりましたが、アキノウナギツカミ(右)が一面に花を咲かせていました。
季節を感じる華やかさです。




         
今回は上池部分で、ヨシ、セイタカアワダチソウ、アメリカセンダングサの3種を除去しました。
これらの種は繁殖力が強く、背丈も高いため、増えすぎると他の植物の生長を妨げます。






セイタカアワダチソウ(左)には、黄色い小さい花が多数ついていました。
一見華やかで昆虫が集まる花ですが、根から他の植物の生長を阻害する物質を出して、
自らの種のみの勢力を拡大し、 大群落を作ります。更に種子だけでなく地下茎でも繁殖するため、
除去は刈り取りではなく、地下茎から抜かなければなりません。





秋になり、チョウやハチは減りましたが、この幼虫とは至る所で出会いました。
フクラスズメというガの幼虫で、イラクサ科が食草だそうです。
湿生生態園の縁にはイラクサ科のカラムシが一面に生えています。幼虫が何十匹もいたのも納得ですね。






8月は湿生生態園の草地環境の維持のために、樹林化した場所(左写真中央)の樹木の伐採も行いました。
作業後は、湿生生態園がなぜ上池、湿地、下池に分かれ、通常の池よりも複雑な形状になっているのか、
講師から説明がありました。限られた面積に水際線が多くなるように池や水路を造ることで、
水辺移行帯をできるだけ増やしているのだそうです。


 



その後、お昼まで谷戸山公園まつりで出展する企画内容について話し合いました。
昨年を振り返り、今年はどうするか、改善点や案を出し合いました。

内容が大枠決まったところで、午前は終了です。



         
昼休みの田んぼ周辺の草地には、カマキリが隠れていました。
左がオオカマキリ、右がハラビロカマキリです。黄緑と茶色のからだで、上手に芝生に紛れています。
この2種は樹林や、周辺に樹林があるような草地を好むため、谷戸山公園は住みやすい環境なのだと思います。
子供たちの虫カゴはカマキリでいっぱいでした。




         
アキアカネ(左:♀、右:♂)も田んぼの上を飛び回っていました。
10月初旬は山から群れをなして平地の田んぼなどに戻り、水際の泥や畔に産卵する時期です。
冬の間は卵で眠り、田んぼに水が入る翌春にいっせいに孵化します。

 



午後は皆伐更新区域の管理作業です。


         
先月に引き続き、ハリエンジュ、アカメガシワ、カラスザンショウの除去を行いました。
これら3種は生長速度が速く、森林の更新過程を妨げます。
他の植物の生育が妨げられるのを防ぐには、地道な除去作業が必要になります。


         
実生の他に、株立ちしている植物もあります。左はエゴノキ、右はヤマザクラです。
これらの根元を見ると、切り株からの萌芽だということがわかります。



         
作業前(左)に植物に覆われていた場所が、作業後(右)にはだいぶ地表が見えるようになりました。




         
作業後には実生の観察も行いました。
ヌルデ(左)、イヌザンショウ(右)、クサギ、タラノキなどの先駆性の植物や、
エノキ、コゴメウツギ、ムラサキシキブ、ムクノキ、ハリギリなどが確認できました。
ハリエンジュ
除去により、これらの種の光環境が改善されため、森林更新の構成種になることが期待できます。





最後にまとめと質疑応答を行い、研修会は終了です。

 


来月の研修会では谷戸山公園まつりの出展のシミュレーションと、引き続き皆伐更新における樹林環境の順応的管理を行う予定です。研修会はビオトープの知識を現場で活かし、経験を積むことができる貴重な場です。さらに谷戸山公園まつりは、環境保全・保護の上で重要な「伝える」ということを実践から学べる機会になります。皆様のご参加をお待ちしています。


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第77回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 水辺環境・樹林環境の順応的管理 ―

9月の研修会は湿生生態園のヨシ刈り及び植物観察と、
皆伐区域の整備作業を行いました。


 


         
季節は秋ですが、この日は夏に負けない眩しいほどの快晴でした。
田んぼには稲穂が実り、至る所にバッタやイナゴが隠れていました。
その上を数えきれないほどのウスバキトンボが飛び回り、縁の茂みにはシオカラトンボがとまっています。



講師から研修内容の説明があり、研修会の始まりです。



午前は湿生生態園でヨシ刈りやキショウブの除去などの管理作業を行いました。

         
池周辺を覆うヨシを根元から刈り取り、水面を広げました。
キショウブは8月に取り残した根株から新しい芽が出ていたため、もう一度掘り返して除去しました。





         
ヨシがなくなり、泥のたまった浅い水面が見えると、
早速オオシオカラトンボが産卵場所として利用していました。

         
8月に植物をすべて除去した場所には、新たにヨシとシダが生えていました。
ヨシはすでに40〜50cmほどになり、シダは地表を覆っていました。生長の速さがよくわかります。




         
8月は湿生生態園の草地環境の維持のために、樹林化した場所(左写真中央)の樹木の伐採も行いました。

         
1ヶ月が過ぎ、その場所にはツユクサ、ススキ、ヨモギ、ハルジオン、キンミズヒキなどの野草が増えていました。
しかし、林床性植物のチヂミザサも一面に生育し、樹木のヤマグワやクサギは急生長していました。
草地環境を維持するには今後も手入れが必要です。




         
その後は講師の説明のもと、植物の観察を行いました。
写真の黄色い花はマメ科のヤブツルアズキで、小豆の原種だそうです。
さやを開いてみると果実がぎっしり。食べると青臭さはありますが、後味の粉っぽさはまさに小豆です。

         
他にもイボクサやゲンノショウコ(左写真)、ヤブヘビイチゴやボントクタデ(右写真)が花を咲かせていました。

片付けと清掃を行い、午前は終了です。



昼食後は環境関連の気になる記事や出来事について、参加者の皆さんがそれぞれ話します。

            
午後は皆伐地区の整備作業です。ここでは森林の更新のために皆伐を行ったため、
4月の段階では実生が生育している程度で背の高い植物は一切ありませんでした。

到着すると、ハリエンジュの背の高さに驚かされます。
先月は目立たなかったアカメガシワも1mを余裕で超える程生長していました。


         
このように極めて生長速度が速い植物は、森林の更新過程において他の植物の生育を脅かすため、伐採が必要になります。
トゲを持ち、地下茎で増殖するハリエンジュの伐採は簡単ではありません。
まず地上から50cm程で伐り、枝葉は林縁にまとめて片付けます。

         
残った幹はトゲを落とし、手で引っ張ったり、スコップで掘り起こしたりして、地下茎から取り除きます。
地下茎は5mを超えるものあり、周辺の株と繋がっていました。

         
更に、アカメガシワとカラスザンショウも除去しました。
炎天下の作業、皆さん本当にお疲れさまでした。




         
作業前と作業後です。奥に繁茂していたハリエンジュが伐採され、空間が開けました。
これで背が低い植物にも光が届くはずです。


最後にまとめと質疑応答があり、研修会は終了です。

来月の研修会では引き続き皆伐更新における樹林環境の順応的管理を行います。現場ならではの新しい知識や技術を得られる貴重な場ですので、皆様のステップアップにお使い頂ければと思います。また、11月の谷戸山公園祭りで実施するプログラムについても検討中です。 ぜひお気軽にご参加下さい。


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第76回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 湿地環境の順応的管理 ―

8月の研修会は、湿生生態園のヨシ刈り及び植物観察と、
絶滅危惧種のホトケドジョウ及びホタルの生息環境維持のための
北谷戸水路の復元・再生を行いました。



         
前日からの大雨で猛暑から一変、過ごしやすい気候となりました。
田んぼでは稲穂の元となる幼穂が実っています。稲の間ではウスバキトンボがひと休み。



まずは講師から研修内容の説明があり、研修会がはじまります。



作業の前に、前回に引き続き照度測定を行いました。
日本は水に恵まれているため、植物の生育に強く影響するのは光と土です。
樹林環境と比較するために、ここでは曇天時の開けた場所での照度を測りました。





午前は湿生生態園の管理作業です。研修会では継続的にヨシ刈りを行っていますが、
1
ヶ月であっという間に成長し、水路を覆ってしまいます。





         
ヨシ刈りと共に、外来種のキショウブの除去も行いました。
土を掘り返して除去した根株はバケツに納まらない位です。









キショウブは華やかな花を咲かせ、日本では馴染み深い植物ですが、背が高く多年草のため、
群生するようになると小さな在来植物の生育環境を奪ってしまいます。





         
果実を割ってみると、厚みのある丈夫そうな種子がたくさん入っていました。
果実は成熟すると裂け、種子は親植物の近くに落ちますが、水辺では水面に浮かんで移動し、
生息範囲を拡大していくようです。








         
作業だけではなく、生き物の観察も欠かせません。
先月に引き続きミソハギが花を咲かせ、草地に生息するツバメシジミが蜜を吸いに来ていました。




         
その他に湿生生態園に咲いていた花は、ツユクサ(左)、キンミズヒキ(右)、セリなど。
昆虫はキタキチョウ(左)、シオカラトンボ(右)、バッタ類も多く見られました。









樹林が多い谷戸山公園の中で、湿生生態園は貴重な草地環境でもあります。
ですが、周りの樹林の成長により草地環境が減少しているという指摘が講師からありました。


         
写真の中央部には、樹木が繁茂しています。
そこには林床植物であるヤブランが生育しており、樹林に近付いていることがわかります。




草地環境を維持するため、その場所の樹木はほとんど伐採しました。
来月、植物の顔ぶれが変わるのが楽しみです。





作業を終えて清掃を行い、午前は終了です。





昼食後は恒例の環境に関する記事の発表を行いました。
各々が興味を持つ内容について、自分の考えを織り交ぜながら話します。





         
その後、南谷戸の作業の前に皆伐区域を観察しました。
ハリエンジュ(左)は人の身長を余裕で超すほど大きくなっていました。
先々月には目立たなかったアカメガシワ(右)も急成長をしているようでした。

皆伐更新ではこのように植物の成長速度の差が顕著に表れるため、
もし人が手を入れずに放っておけば成長速度の速い樹木の優占した林になってしまいます。








         
照度測定も行いました。林縁付近の照度は開けた場所の半分以下となり、
樹林の存在が光環境に与える影響の大きさがわかりました。









         
ここでは、ミカン科のサンショウを利用しているナミアゲハの幼虫(左写真)と、
クスノキ科のタブノキを利用しているアオスジアゲハの幼虫(右写真)、
食事中のハラビロカマキリにも出会いました。






また、樹林にはない明るい場所を好むヨウシュヤマゴボウも生育していました。
鳥やネズミによって種子が運ばれたことが想像できます。










         
その後は南谷戸に移動し、ホトケドジョウのビオトープ再生のための作業です。
水辺の植物の生育のため、光を遮る林縁の常緑樹の伐採と、水辺を覆うクズの除去を行いました。







クズは大きな葉を付けたツル植物で、水辺周辺の開けた場所一面を覆ってしまうため、
他の水辺の植物の生育環境が奪われてしまいます。
枯れ枝をつたい、林縁の樹木にまでツルを伸ばしていました。









         
南谷戸ではまだ幼いカナヘビと、羽化したてのアブラゼミに出会いました。










最後にまとめと質疑応答があり、研修会は終了です。

来月も引き続き、湿地環境の順応的管理の研修を行います。研修会では知識や技術はもちろんですが、自然を見る目が鍛えられていきます。現場でビオトープを学べる貴重な場ですので、ぜひお気軽にご参加下さい。



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第75回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 湿地環境の順応的管理 ―

7月の研修会は、湿生生態園の植生管理作業と、絶滅危惧種の
ホトケドジョウのビオトープ再生として、谷戸の水路の再生を行いました。



7月前半に晴天が続いたからでしょうか?
1ヶ月ぶりに見た谷戸山公園の田んぼの
稲も、ぐんぐん伸びていました。











まずは、講師から研修内容の説明があり、
研修会はスタートです。






午前は、湿生生態園の管理作業です。
こちらの湿地では、毎年研修会で継続的にヨシ刈りを行い、ヨシが増えすぎるのを抑えてきました。










その成果か、作業を続けてきた流れの脇には、
写真のミソハギや、アカバナ、ミゾソバ、など、
ヨシ以外の水辺の植物が見られるようになってきました。




         
その反面、外来種のキショウブが増えてきたので、
今回はヨシ刈りとキショウブの根株の除去作業をしました。
左はキショウブの種、右はキショウブの根株です。







根株から出る細根が絡まり、島のようになっていました。
この根を徐々に切り剥しながら、除去していきます。

          
左側と手前の部分のキショウブを除去し、だいぶ小さな島になりました。
ただ、毎年キショウブの花を楽しみに訪れる来園者も少なからずいるので、
外来種だからと言って全て排除するのではなく、増えすぎないよう根株の除去作業を続け、
徐々に抑えていきます。



作業後、清掃をして昼食です。










昼食後、恒例の環境に関する記事の
発表があり、その後、照度調査から
午後の作業開始です。




          
影になる障害物のない開けた場所と、常緑樹間伐区域の樹林内で、照度計を使って照度を測りました。調査で出た値は、皆伐区域と間伐区域の林床植生の再生状況を比較する際、参考になります。






その後谷戸に移動し、ホトケドジョウのビオトープの再生作業です。
流れを覆い、光を遮る常緑樹を伐採し、水辺の植物が生育できるようにします。






          
伐ったあとは、まとめやすいようある程度枝葉を切り分けていきます。






      
谷戸では、こんな生きものが暮らしていました。左から、オニヤンマ(ヤゴ)、
ヤマアカガエル、トゲナナフシです。他にも、たくさんの生きものが見られました。


少し樹間が開き、光が射すようになりました。

最後にまとめと質疑応答があり、研修会は終了です。



今回は、少し作業の比重の多い研修でしたが、作業中でもそれぞれ図鑑を開いて、動植物の観察も行っています。みなさんもぜひ、現場研修会に参加して、里山の管理作業から垣間見える、様々な生きもののつながりを感じてみてください。ご参加お待ちしております。


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第74回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 湿地環境の順応的管理 ―

6月の研修会は湿生生態園の植生管理作業と、
午後は雨が降ったため、皆伐後の樹林地の林床植生観察を行いました。



田植えを終え、谷戸山公園の田んぼは
若苗色に変わっていました。










はじめに講師から説明があり、
湿地環境管理の研修会はスタートです。




         
左は先月のヨシ刈り作業後の写真。右は今月(1ヵ月後)の同じ場所の写真です。
流れのある部分をすでにヨシが覆ってしまっています。このように繁茂しすぎたヨシを刈り取り、
多様な水辺植生を目指して、夏の間作業を続けます。







ノコギリガマを使って、ヨシを刈っていきます。




          
作業中、見られた生きものです。左は、ヤマトクロスジヘビトンボ。
幼虫期を餌となる水生昆虫が多い流水中で過ごし、羽化後成虫になり水辺に産卵します。
右はセリ科の植物を食草とするアカスジカメムシ。
湿生生態園には水辺植物のセリが生えているので、おそらくセリを目当てに来ていたのでしょう。

このように、維持管理された水辺をうまく利用して暮らしている生きものも多くいるのです。




          
左は作業前、右が作業後です。ヨシに覆われていた水路が見えるようになりました。
その後、簡単な植生調査を行ってから清掃をし、昼食です。






午後は恒例の、環境に関する気になる記事の発表です。
今回も震災、原発、エネルギー関連の話が目立ちました。






          
その中で講師から、身近に生えるコマユミで作ったホウキの紹介がありました。
このような身近な自然を利用した製品は、公園管理を続けていく中で出る
間伐材などの利用法の参考になります。




その後、雨が降ってきたため、午後の作業は中止し、皆伐後の樹林を見に行きました。



皆伐から4ヶ月程経った樹林地です。
見回すと、切り株から出ている芽が目立ちますが…






          
よく見ると、地面から実生もたくさん出ていました。右の写真のアカメガシワが多く見られましたが、
他にもコナラやウワミズザクラなど、様々な種が確認できました。








こちらは葉が焼けてしまっているアオキ。林床植生で
暗いところが好きなアオキにとっては、裸地化し、
日当たりが良くなってしまうと暮らしにくいという事ですね。



最後に講師からまとめと質疑応答があり、6月の研修会は終了です。今後も湿地環境管理の研修と並行して、皆伐後の樹林のモニタリングを続けていく予定です。ぜひ皆さんご参加ください。

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第73回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 湿地環境の順応的管理 ―

5月の研修会は、湿生生態園の植生管理作業及び、以前は谷戸山公園でも
見られていた絶滅危惧種のホトケドジョウのビオトープ再生を行いました。



晴天に恵まれた5月の谷戸山公園。
生きもの達の動きも活発になっています。
写真は田んぼ脇にいたヤマサナエです。










午前の研修は湿生生態園の
ヨシ刈りからスタートです。


初めて参加される方にも分かるよう、
湿地環境やヨシの繁茂による他の
水生植物への影響などを説明します。





          
多様な植物が生育できるよう、繁茂しすぎたヨシを刈り取っていきます。
作業後は、右の写真のように流れが見えるようになりました。






          
その後、湿生生態園の植生調査をしました。
昨年9月まで行われていた植生調査の結果を元に、今の状態を確認し、モニタリングしていきます。






          
左は湿生生態園の上池を泳いでいたアオダイショウ、右はアズマヒキガエルの幼体です。
この他にも作業中たくさんの生きものが見られました。





          
刈ったヨシをまとめ、デッキを清掃し午前の研修は終了です。






昼食後は谷戸に移動し、気になる
環境に関するニュースの発表をしました。










午後の作業はホトケドジョウの
ビオトープの再生です。


ほぼ湿地状態だった3年前から比べると、
毎年の作業でだいぶ流れができてきました。





          
しかし、ホトケドジョウは産卵に水草を必要とするため、
流れやたまりに光を入れて水草が生育できるよう、光を遮っている枝を切っていきます。






切った枝は写真のようにまとめて積みます。
「見た目」に配慮することも、たくさんの人が
利用する公園を管理する上では大切です。














少し明るくなりました。今後この作業を続け、
ホトケドジョウの生息環境の復元を目指します。





最後にまとめと質疑応答などを行い、研修会は終了です。



来月も引き続き、湿地環境の順応的管理の研修を行います。これからの時期は、1ヶ月でも植生が大きく変化します。続けて研修会に参加すれば、その変化を確認していくことも出来ます。ぜひ、ご参加下さい。
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第72回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 樹林環境(雑木林)の順応的管理 ―

4月の研修会は、引き続き皆伐を行った雑木林の維持管理及び調査を行いました。



初夏のような陽気の谷戸山公園。繁殖期を迎えた
シュレーゲルアオガエルのコロロ・・・と鳴く声が聴こえていました。





         
はじめに講師から研修内容等の説明があります。
また、ビオトープ管理士として、植生調査する際などにオススメの図鑑の紹介もありました。







         
まずは、森の若返りを図るため皆伐更新を行っている樹林の植生調査です。
写真のように林床全体に光が当たるようになり、多少乾燥している場所もありました。








         
左は切り株から萌芽しているウワミズザクラの新芽、右は実生のウワミズザクラです。
今後、どのような違いが出てくるのでしょうか。これらの芽が、5年後、10年後に
新たな樹林を形成してくれるのを期待し、モニタリングしていきます。








         
左は「春に咲くラン」と言う意味のシュンラン、右はユリの仲間のホウチャクソウです。
今までは暗かった林床が、裸地に近い環境になったことで、
どのように遷移していくのか、調査を続けていきます。








前回に引き続き切り株の年輪調査をした後、
お昼となりました。













午後は、前回に引き続き皆伐や間伐作業で
大量に発生する木材の使い道について話し合い
ました。実際に薪ストーブを利用している方の
興味深いお話も聞けました。







         
午後の作業は、キノコのホダ木作りです。キノコの生長の早さなど、樹種による違いを見るため、
皆伐で出たコナラ、クヌギ、イヌシデ、ヤマザクラ、エゴノキ、スギ、ヒノキ、サワラ等の丸太を集めました。









ドリルで、縦に15cm程の間隔で穴を開けていきます。





         
そして、その穴に駒菌を入れ、木槌で打ち込みます。駒菌に泥が付着すると雑菌が入りやすくなるので、
植菌部分が地面につかないように注意します。こちらには、シイタケとクリタケの駒菌を使用しました。








         
また、長さ20〜30cmの少し太めの丸太は、側面だけでなく切断面にも植菌します。
こちらには、ナメコとヒラタケの駒菌を使用しました。








         
どちらも刈り取ってきた枝葉で日陰を作り、長いホダ木は立てかけ、太いホダ木は半分ほど土に埋めました。
成功したとして、収穫ができるのは、来年の秋以降のようです。雑菌や乾燥に負けず、育ってほしいですね。




これで4月の研修会は終了です。来月からは湿地環境の順応的管理の研修に変わります。管理の現場を見て、体験する事は、ビオトープ管理士にとって必要な経験です。これから夏にかけて、植生が遷移する様子や、生きもの同士の繋がりを一番体感できる季節かと思います。ぜひ、研修会に参加して、知識や経験を増やしていきましょう。
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第70回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 樹林環境(雑木林)の順応的管理 ―

2月の研修会は、1月に引き続き皆伐予定地の雑木林の維持管理及び調査を行いました。



2月の谷戸山公園の田んぼでは、越冬に訪れている
アカハラやツグミが探餌する姿が見られました。





         
先月に引き続き、樹林管理の研修です。研修場所の樹林は現在、「皆伐更新」を進めています。
範囲内の全ての木を切り、今まで暗かった林床に光を入れる事で、森の若返りを図っています。
本日の作業は、皆伐による今後の森の変化を追っていくための、樹林の現況調査です。







まずは先月に引き続き、樹木の位置を
図面に落とすための三角測量を行います。













そして、すでに伐採されている場所は、
図面と照らし合わせながら、
切り株に番号をふっていきます。







番号がふられた樹木から、年輪を数え、
図面に情報を記入していきます。





      
左からヤマザクラ、イヌシデ、コナラの切り株です。樹種の違いだけでなく、
それぞれの生えていた環境などによっても、年輪のでき方はつ一つ違うようです。
この調査で、それぞれの木々の勢力関係や、森がどう遷移してきたかなど、色々な事がわかってきます。








午後は、皆伐や間伐作業で大量に発生する木材の使い道について話し合いました。
多くの地域の方に参加してもらって、管理と楽しみを繋げられるような使い道を、
今後も考えていきます。







         
その後は、初めて参加された方が多かったので、改めて、木の切り方のレクチャーがありました。
まず、倒れやすい方向に、三角の「受け口」を切っていきます。







そして、切り込みの反対側から刃を入れて「追い口」をつくり、切り倒します。
倒れる時は、周囲の人に声をかけ、安全を確認します。







      
樹林内には、写真(左)のように枯死している木もあります。
表面をはがしてみると、ムカデの仲間(写真:中)やクチキムシの仲間(写真:右)を
見つける事ができました。冬眠していたのでしょうか。







         
こちらは、両方ともイヌシデの冬芽です。左は正常な冬芽、
右はダニの一種に寄生されて、イヌシデメクレフシという虫こぶになっています。
この虫こぶは、枝の先端の芽にしかできないんだそうです。不思議ですね。








最後に、講師から今日のまとめと、今後の研修の
展望などについて説明があり、今回の研修会は終了です。


これで今月の現場研修会は終了です。3月も引き続き調査や作業を進めていきます。
皆伐された樹林の経過を間近に見られるいい機会ですので、ぜひ生きている森の姿を、見て、触れて、体感してみてください。

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第69回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 樹林環境(雑木林)の順応的管理 ―

今月の研修会は、皆伐予定地の雑木林の調査実習を行いました。


         
厳しい冷え込みとなった今回の研修会。池の水は乗っても大丈夫なほどに厚く凍っていました。
でも、梅の花は今にも咲き始めそうに膨らんで、少しだけ春を感じさせてくれています。





作業場所の雑木林に移動して作業の説明と解説を行います。
今回の作業は先月に続き、伐採する樹木の位置を記録するための
測量と樹冠投影図の作成です。





         
基準点・樹木間の長さを測ります。これを三角測量の要領で図面に落としていきます。
完璧なものではありませんが、簡易で、特別な機器が必要ない方法ですので
覚えておくと役に立つと思います。






         
同時に太さ(幹周)、樹種も記録。昼食をはさんで午後は別の作業に移ります。







昼食後は、恒例の「環境に関する気になったニュース」の発表をしました。
それぞれが違った視点でニュースを選んでいるので、
普段気にしていないことにも気付かされます。






         
午後の研修は、昨年おこなったホトケドジョウの水路の視察からスタートです。
流れがしっかりと残っています。
水量や周辺の湿地の状況を見ながら春以降の作業方針を検討しました。





         
さて、雑木林に戻り樹冠投影図の作成です。記録方法をしっかり説明して作業に入ります。






各自担当のエリアに移動して記録していきます。
この作業は「葉張り(樹冠の広がり)」を記録する
もので、伐採前の樹木の勢い(樹勢)を記録する
意味合いがあります。












だいぶ記録できてきましたね。
これらの作業は、皆伐する前の雑木林の状態を
記録するのはもちろん、記録したデータが皆伐後の
萌芽率を調べたり、樹齢や樹勢による萌芽率の
違いなどを調査する上で必要なデータとなります。






調査の合間に、落ち葉溜めのカブトムシ幼虫を掘り起こしました。
皆伐作業で影響の出ることが予想されるため、
安全な場所へ移動するためです。





         
1つの落ち葉溜めからこんなに大きくなった幼虫が20匹ほど確認できました。
これらは新しい寝床に移動してもらいました。
来月の研修会で残りの落ち葉溜めも見てみようと思います。


これで今月の現場研修会は終了です。2月は皆伐作業を行っている可能性があり、作業を間近に見ることができるかもしれません。これまで作業に関わったことのある方はもちろん、まだ参加したことのない方もぜひご参加ください。

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第68回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 樹林環境(雑木林)の順応的管理 ―

12月の研修会は、園内の樹林地の除伐作業と、
皆伐予定地の事前調査(毎木調査)を行いました。


         
冬晴れに恵まれた12月の谷戸山公園。
ですが、夏季に管理作業をしている湿生生態園は、水面もデッキも凍っていました。



今回の研修会は、来月以降に行われる
樹林の皆伐に向けての準備作業です。
始めに、講師から説明があります。











まずは、皆伐作業の際に切った木を運び
出しやすいように、歩道近くまで間伐エリアを
拡げます。ここが搬出路となります。





         
皆伐予定地内には、以前間伐材で作った落ち葉溜めがあります。
ここにはカブトムシの幼虫が暮らしていますが、皆伐作業の際に倒れる木に
潰されてしまう可能性があるので、次回の研修で幼虫だけ移動します。






今回は、幼虫の移動先になる落ち葉溜め作りを
行いました。これで、午前の作業は終了です。











午後は、この照度計を使って照度の違いを測定
しました。南方向を向き、水平に測ります。



樹林内との明るさを比較するため、まずは
開けた場所で照度計を使って明るさを測りました。






         
皆伐予定地に移動し、樹林内の照度の測定もします。
落葉樹の下は葉を落としているため光が入り明るいですが、常緑樹の下は影になっています。
このように樹林内の様々な場所の明るさの平均値を出すため、歩き回りながら複数の測点で測ります。





皆伐予定地では、光不足のため幹の途中から
枝葉を出し光合成をしようとする「胴吹き」に頼る
ハリギリも見られました。このことからも、
樹林内が暗かった事が分かります。






         
皆伐予定地は、今後の調査のためにビニールテープでエリア分けをし、
エリアごとに樹木の位置を図面化できるよう、測量していきます。






         
最後に、皆伐予定地内の植生を調査しました。今後の皆伐で林床が明るくなることで、
写真のような植物が成長する事ができ、多様な植生の樹林になることが期待できます。
写真は左からヤブコウジ、モミジイチゴ(実生)です。


これで今回の研修会は終了です。雑木林は、皆伐をし、萌芽更新することで、若返りが図れます。1月の研修会でも引き続き、皆伐前の準備作業や植生調査などを行う予定です。皆伐の経過を間近に見て、感じられる絶好の機会ですので、皆様奮ってご参加ください。

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第67回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : ‘伝える’を学ぶ ―

11月の研修会は、11月28日に行われる谷戸山公園まつりで実施予定の市民
参加型プログラムのシミュレーション等を通して「伝える技術」を学ぶ研修を行いました。


暖かい日が続いたので、谷戸山公園の
田んぼでも二番穂が育っていました。
これからの時期、鳥などの餌になりそうです。










まずは講師からの説明を受け、いよいよ今月末
に迫ったイベントの企画をつめていきます。


イベント当日は、こちらのボードで企画
内容や研修会の活動を紹介します。
企画ごとに3つの班で資料を作成します。






         
午前中は班ごとに分かれて、それぞれの企画の打ち合わせをしました。
参加者に楽しんでもらうのはもちろん、私たちの行う管理作業の意味や、
必要性についても理解してもらえるよう、しっかり“伝える”ために考えます。




必要となる道具の確認もしました。










午後は、それぞれの企画をシミュレーション
します。まずはボードを使ってお客さんを
受付ブースに呼び込むところからです。


受付ブースでも、お客さんに
体験してもらえる企画を考えました。










ブースからプログラムを実施する場所へ移動
する間、お客さんに公園の成り立ちから、
公園で暮らす生きものと私たちの管理
作業の関係などを解説します。



湿生生態園のヨシ藪で、チッと鳴く
アオジの声が聞えてきました。





         
どんぐりから里山の生態系を伝えるこちらの班。どんぐりの実る木は、シラカシなどの常緑樹、
コナラなどの落葉樹と様々です。それぞれ種の生き残るための戦略や、好む環境などを解説していました。






         
樹林管理地で間伐の必要性と間伐材の利用を伝えるこちらの班。管理の手が入らなくなって
放置された暗い森と、管理地との違いなどを感じてもらいます。刃物の使い方など注意が
必要ですが、滅多にできない間伐の体験は楽しんでもらえるのではないでしょうか。






最後にカントリーヘッジ横で、
土壌生物の観察を体験しました。






         
落ち葉や、その下の分解が進んでいる部分を取り、ビニールの上にひろげます。
正確な種の同定は難しいですが、ムカデ、ミミズ、陸貝など、たくさんの生きものが見つかりました。






土壌生物がいるからこそ成り立つ里山の
環境を、参加者に楽しみながら理解して
もらえるよう解説します。










最後に、当日までにまとめておくことや、
用意するものなどを確認し、
今回の研修会は終了です。



    
今回の研修会で出会った生きものです。左から、水鳥の池で休む冬鳥のマガモ、
湿生生態園の横で見つけたオオカマキリの卵のう、暖かい陽だまりで羽を広げるルリシジミです。



12月の現場研修会からは、通常の研修会に戻ります。樹林環境をフィールドとした研修になります。現場でビオトープが学べる絶好の機会ですので、まだ参加されたことのない方も是非一度ご参加ください!


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第66回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 湿地環境の順応的管理及び、‘伝える’を学ぶ ―

10月の研修会は、 引き続き湿生生態園の植生管理作業と、
11月に行われる公園まつりで実施予定の市民参加型プログラムの
シミュレーションや検討を通して「伝える技術」を学ぶ研修を行いました。


谷戸山公園の田んぼは無事、稲刈りを
終えていて、稲掛けされていました。









まずは、初めて参加される方にも、しっかり
作業の意味を理解してもらえるよう、
講師から研修内容の説明があります。


午前中は、湿生生態園の管理作業から
スタートです。










多様な湿生植物が暮らしやすい環境を
目指すために、繁茂しすぎた背の高いヨシを
刈り、他の植物にも光が当たるようにします。






      
春からヨシの管理を続けてきた成果でしょうか。光が入り、明るくなった場所では、
ミゾソバ(左)や、アカバナ(右)が、きれいな花を咲かせていました。





      
公園利用者にも気持ち良く過ごしていただくため、作業後に観察デッキの清掃をするのも、
公園管理の大切な作業です。これで午前の作業は終了です。





午後は、11月28日に行われる公園まつり
のイベントの企画を、3つの班に分かれて
シミュレーションしてみることになりました。






      
こちらの班では、ススキ刈りの後に植生調査を行った野鳥の原っぱにて、
土壌生物や草地で暮らす生きものの観察を行うようです。
下見で行った時も、コジュケイやコカマキリなどを見かけることが出来ました。





      
こちらの班は、樹林管理をしている場所で間伐体験と、その間伐材でクラフトをするようです。
見本として、使いやすそうな箸が出来ていました。





      
こちらの班は同じく樹林管理地で、どんぐり探しと、それらを利用したスケッチなどをするよう
です。まだどんぐりは少なく、見つけづらかったですが、1ヶ月後にはシラカシ、コナラなど、
今年実ったどんぐりがたくさん落ちている事でしょう。





      
その他に、拾った葉やキノコなどで、コラージュを作成してみました。
大人でも夢中になって、あっという間に時間が過ぎてしまいますね。





      
当日、これらのプログラムを体験してくれた地域に方々が、管理作業を一緒にやってみたい!
と思ってくれたら嬉しいです。そのためには、維持管理作業の意味や、そのことで守られる
環境や生きものの事などをしっかりと伝える必要がありますね。






最後に、講師からまとめと質疑応答などがあり、
今回の研修会は終了です。





    
今回出会った生きもの達です。左から、産卵間近のオオカマキリ、成虫で越冬するツチイナゴ、
イラクサの葉の裏でたくさん見つかったフクラスズメの幼虫です。



イベントまであと1ヶ月を切りましたが、だいぶ企画の中身がかたまってきました。地域の人々に、谷戸山公園の維持管理活動の意味や、楽しさが伝わるような企画になってきています。ビオトープ管理士に必要とされる、インタープリテーションを学べる良い機会だと思いますので、ぜひご参加ください。

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第65回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 湿地環境の順応的管理及び、‘伝える’を学ぶ ―

9月の研修会は、 引き続き湿生生態園の植生管理作業と、
11月に行われる公園まつりで実施予定の市民参加型プログラムの
検討や準備を通して「伝える技術」を学ぶ研修を行いました。


晴天が続き、順調に育つ稲。
来月行われる稲刈りまで、
案山子がしっかり守ってくれています。









はじめに、1日の研修内容について、
資料を見ながら講師から説明を受けます。





まずは湿生生態園の植生調査からスタート。





      
5月から毎月行っていたヨシ刈りで、背が高く生長の早いヨシの勢いを抑えてきました。
湿地に光が入りやすくなった事で、徐々に多様な湿生植物の暮らせる湿地環境に
なってきているか、植生調査の結果で判断できるのです





今回は、少し早めに昼食となりました。
写真は田んぼの近くで見つけたナツアカネです。




      
午後は場所を変えて、棚田状湿地の水路整備作業からです。
先月掘った水路を、もう少し広げ、ちゃんと水が流れるよう調整していきます。





流れを阻害しそうな植物は、根ごと除去します。










根を張って土手を崩れにくくしてくれる、
セリ、ミゾソバなどを植栽します。






これで完成です。水もうまく流れてくれた
ので、乾燥化が進んでいた周辺の湿地にも
水が入り、湿地環境が維持できます。











その後は、秋に行うイベントで参加者に
谷戸山のそれぞれの環境のもつ役割など
紹介できるよう、全体を視察して周ります。




      
こちらはシラカシ林。落葉樹のケヤキが所々に生えていますが、
極相林の一歩手前まできています。林床にはあまり光が入らず、暗い林です。






      
谷戸山公園では、柵を立てる代りにこのようにイヌツゲ、ヒサカキなどで生垣にしています。
その先に見えるのは、森と森を樹木でつなげた、動物たちが行き来できるコリドー(回廊)です。






こちらは、昆虫の森という雑木林です。
10年程経過しているため、もうそろそろ森を
若返らせるための萌芽更新が必要なようです。












こちらはスギ・ヒノキの観察林です。
とても暗い森ですが、手入れはしないという、
公園の方針のようです。





      
こちらは、私達も管理作業を行っている雑木林です。ヒサカキなどの常緑樹を間伐してきたことで、
少しずつ林床の植物も花をつけてくれるようになってきてはいるのですが、
彼らにとってはまだ明るさが不足しているようです。







ある程度見て周ったところで、イベントの企画内容をみんなで話し合いました。



この後、残りの園内のポイントを見て、今回の研修会は修了です。11月末に予定しているイベントまであと2ヶ月。公園利用客の親子を対象として、普段行っている管理とその意味を、楽しみながら学べるような企画を考えています。ビオトープ管理士に必要とされる、インタープリテーションを学べる良い機会だと思いますので、ぜひご参加ください。

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第64回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 湿地環境の順応的管理 ―

8月の研修会は、 先月に引き続き湿生生態園の植生管理作業及び、
ホトケドジョウのビオトープ再生を行いました。



猛暑日となった8月の研修会。
参加者数は少なめでしたが、初めての方も来てくれました。



      
湿生生態園の管理作業からスタートです。多様な植生に戻るよう、繁茂しすぎたヨシを刈っていきます。
せっかく生えてきたアカバナなどの植物を刈ってしまわないように注意して作業を進めます。




ヨシ原のようになっていた湿生生態園が、だいぶ開けてきました。
多様な湿生植物が見られるようになるといいですね。




      
こちらはセイタカアワダチソウ(左)、キショウブ(右)です。
元々あった里山を保全している谷戸山公園にふさわしくないこれらの外来種は、
これ以上増えないよう、根から除去します。



少し休憩を挟んで、前回までに調査が
終わっていない地点の植生調査を行い、
午前の研修は終了です。








昼食後は、秋に行われる公園のイベントの
ための企画案を話し合いました。




      
午後は、場所を変えて、湿地環境の再生のための水路整備作業です。
まずはラインを決め、




      
覆っている植物を取り除き、水路を掘っていきます。





      
だいたい掘り進んだら、ちゃんと流れができるよう考えながら、水路の底の高さを調整していきます。





今回はここまで掘り進むことが出来ました。
次回、完成する予定です。











最後にまとめと質疑応答などを行い、
今回の研修会は終了です。




      
今回出会った生きもの達です。左から、マメコガネ、アカタテハ、そして、お腹に卵を抱えたサワガニです。

9月の研修会はビオトープ管理士の試験前でもありますが、試験で出題される生物問題や専門科目等に対応するには、現場の知識も必要です。絶好のフィールドになると思いますので、是非ご参加下さい。
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第63回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 湿地環境の順応的管理 ―

7月の研修会は、 先月に引き続き湿生生態園の植生管理作業及び、
ホトケドジョウのビオトープ再生を行いました。


7月の研修会も晴天に恵まれました。
集合場所である里山体験館前の田んぼも、
稲が青々とし、順調に成長しているようです。










講師からの説明を受け、
午前の湿地管理の作業スタートです。




      
こちらは湿地環境を観察することができる、湿生生態園。
以前は流れの途中に木杭の堰があり、全体に水が行き渡って湿地環境が保たれていましたが、
木杭の堰が流されてしまい、陸地化が進んでいる部分ができていました。




      
そこで今回は湿生生態園全体に水を行き渡らせるため、根茎を伸ばして繁殖するヨシを
右の写真のように根ごと切り取って、そのまま移植し流れを堰き止めました。





陸地化してしまっていた部分にも水が
行き渡り、湿生植物が生育しやすい
湿地環境になってきました。



先月に引き続き、多様な植生に戻るよう、
繁茂しすぎたヨシなどの刈り取りも行いました。




      
その後、前回までの研修では調査しきれていなかった地点の植生調査をし、
午前の作業は終了です。





食後、秋に計画しているイベントの企画を
詰めました。だんだん形が見えてきたようです。












午後はホトケドジョウのビオトープの再生です。





      
今回は主に、ホトケドジョウの水路を覆っている樹木の伐採と、
前回までに切り倒した木から、水路の管理に利用できる粗朶などを作る作業をしました。





水路に陽射しが入るようになりました。
ホトケドジョウが産卵するのに必要な水草が繁茂した水辺になるよう期待しています。




      
左から、田んぼ脇にいたミヤマアカネ、湿生生態園にいたナナフシモドキ、そしてタヌキの足跡です。

8月も暑い中の作業になるとは思いますが、植物の生長や、生きものの暮らしを身近に感じながら作業できるいい機会です。ぜひ、現場研修会にご参加下さい。
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第62回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 湿地環境の順応的管理 ―

6月の研修会は、 先月に引き続き湿生生態園の植生管理作業及び、
ホトケドジョウのビオトープ再生を行いました。


      
先月に田植えを終えた谷戸山公園の田んぼはイネが分けつを始め、青々としてきました。
畦にはミゾカクシ(左)やケキツネノボタン(右)などが花を咲かせていました。



      
午前の研修は、湿生生態園の植生管理です。
これまでの作業でアカバナ(左)など何種かの水生植物が多く見られるようになってきました。
保全する植物や道具の使い方など注意事項を確認して作業開始。




      
多様な植生が回復するよう、主に繁茂したヨシを刈り取る作業です。
先月も刈ったのですが、もう伸びてきています。





ヤブマオの葉の上には、ラミーカミキリが見られました。
ヤブマオやカラムシなどを食草とするカミキリですね。パンダカミキリなんて呼ばれたりもします。




      
続いて、植生調査です。湿生生態園の中に見られる植物を調査し、リストアップしていきます。
新たに確認されたものは公園の生物リストに加えていきます。





昼食中も熱心な参加者は講師の話に耳を傾けたり、質問したりしていました。




      
昼食後は、恒例の環境に関するニュースの発表と、秋に計画しているイベント案の
提案を行いました。途中、室内にタケトラカミキリが飛び込んできました。



午後はホトケドジョウのビオトープ再生です。
先月までに湧水点から湿地を少し掘って流れを作り、ホトケドジョウの移動できる環境を作りました。
掘りすぎると水が抜けて湿地環境を維持できなくなってしまうので、微妙な調整が難しい作業です。


      
先月作業した場所は埋まることなく、流れすぎることなく適度な流れになっていました。
奥に見える緑はカサスゲ群落です。





水路の上を覆っているシラカシなどの常緑樹を間伐していきます。
水路に光が入って、ホトケドジョウの産卵に必要な沈水植物等が
生育できる環境を整えていきます。





      
昨年から続けているこの間伐作業の成果か、今年は林床で多くの植物が花を咲かせるよう
になっています。今回は、それらの花をメジャーと方位計を使って位置を記録しました。
今後も間伐等の作業の成果を、林床植生の継続したモニタリングで評価していく予定です。





最後にまとめと、質疑応答などを行い研修会は終了です。


現場に出ると必ず何か発見があり、その発見の積み重ねが知識や経験となっていきます。まだ参加されたことの無い方も、是非一度参加してみてください。現場でなければ気づけないものがきっと発見できると思います。
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第61回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 湿地環境の順応的管理 ―

5月の研修会は、 湿生生態園の植生管理作業及び、以前は谷戸山公園でも
見られていた絶滅危惧種のホトケドジョウのビオトープ再生を行いました。


今回から、水辺地をフィールドとした研修
がスタート。まずは講師から、公園の管理
方針や今日の作業内容の説明を聞きます。









五月晴れの谷戸山公園には、たくさんの
親子連れが来園していました。一般の方の
利用を妨げないよう、作業に入ります。



      
まずは2つのチームに分かれ、湿生生態園の植物調査をしました。
日当たりが良いため、既に1m以上にもなるヨシが繁茂していました。



分からない種は、図鑑で確認します。











種によって草丈が違うので、枝葉を掻き分けて、
低い場所の植物も見逃しません。





      
調査の後は、ヨシの刈り取り作業です。湿生生態園は、水辺に暮らす様々な動植物を観察
するという目的を持っています。ですから、生長の早いヨシを刈り取ることで、生長を妨げられて
いた他の水生植物にも、陽の光が行き届いて、今よりも豊かな植物相になることが期待できます。



ヨシに隠されていた水路も、見えてきましたね。
作業中、ずっとシュレーゲルアオガエルが鳴いて
いましたが、見つけるのは難しいようですね。













午後は恒例の「気になる環境の記事」の発表と、
市民を対象とした谷戸山公園でのイベントの企画
を提案していただきました。今後の研修会では、
さらに案を増やし、まとめていきたいと思います。






      
その後、ホトケドジョウのビオトープ再生のために、昨秋に湧水地点まで繋げた水路を
改修しました。渇水時でも、水路に暮らす生きものが暮らせるよう、溜まりをつくりました。



陸地化してしまっていた部分も、
再度水路を再生し、流れができました。










こちらは水路で暮らしていたオニヤンマの幼虫。
挿泥産卵型のオニヤンマにとって、10cm以上
の泥が堆積していて浅くて流れの緩やかなこち
らの水路は、格好の産卵場所だったんですね。





水路を樹々が覆って、暗くなってしまわな
いよう、周辺の林の間伐も行います。
間伐材は、水路の杭や粗朶として利用します。










これで今回の研修会は終了です。




      
今回出会った生きもの達です。左からヤマサナエ、ニホンカナヘビ、クロボシツツハムシです。


座間谷戸山公園での研修会は6年目に入り、今まで見られなかった植物がたくさん見られるようになりました。皆さんもぜひ、研修会に参加して変化を確かめてみませんか?

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第60回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 樹林環境の順応的管理 ―

4月の研修会は、園内の樹林地の順応的管理として常緑低木の間伐と、
様々な植物が見られる時期でもあるので、園内の植物観察を行いました。


朝までの強い雨が嘘のように、晴れ渡る
絶好の天候の中、研修会はスタートしました。








こちらは、定期的にススキやオギの
刈り取り管理がされている草地です。
今回の研修会は、観察を中心に進めました。


見つけた植物を各自、図鑑で調べます。
秋の調査では確認できなかった種も、
春になると芽を出し、見つけることができます。









何種かリストにない植物が見つかり、
新たに公園の確認種リストに加えました。
やはり年に数回の定期的な調査は必要ですね。




      
明るい草地では、こんな生きものも見られました。左がニホンアマガエル、右がヤマトシジミです。



      
都市部では少なくなっている、カントウタンポポの群落が見られました。




      
左の写真、何だと思いますか?こちらは刈り取り後生えてきたススキなんです。
このようにススキは、一つの根株から丸い輪状に株立ちします。左は刈り取り前の写真です。
ススキと似たオギは、地下茎で広がるので株にはなりません。

      
雑木林のコナラ、クヌギの違い、わかるでしょうか。左の写真で赤い矢印の赤黄色がクヌギ、
白い矢印の白っぽいのがコナラです。右の写真のように、コナラの若葉はおいしいので、
虫たちに食べられないよう、白い毛を生やしています。




      
樹形でも、こんなに違います。左がクヌギ、右がコナラです。
クヌギは上部が鋭角で、コナラは横にひろがっていますよね。




午後は、気になる環境の記事の発表から
スタートです。今回は、新緑の美しい
森の中で行いました。










その後、数年前から常緑低木の間伐を行って
きた雑木林の、林床の植物を観察しました。




こちらはササバギンラン。この辺りが暗かった
時期は、5〜10年程。その間根っこで休眠し、
明るくなる時を待っていたようです。先月の
落ち葉かきの効果もあるのかもしれません。











こちらはシュンラン。下の葉は、
まだ林床が暗かった昨年のものです。
今年の葉の方が太く元気に見えます。





      
最後に、スギ・ヒノキの植林地へ移動し、間伐作業をしました。
作業で出た間伐材の利用も考え、箸や杖にする作業もしました。

これで、今回の研修会は終了となりました。
5月からは湿地環境の維持管理となります。今後も、現場でビオトープについて学べる研修会として、充実した内容をご提供していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

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第59回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 樹林環境の順応的管理 ―

3月の研修会は、先月に引き続き園内の樹林地の順応的管理として、
常緑低木の間伐や落ち葉かきを行いました。


座間谷戸山公園に向かう途中、道端で
つくしを発見しました。まだ寒さの残る3月後半
でしたが、春はすぐそこまで来ているんですね。







今回は初めに、講師の石川先生がお住まいの
山梨県芦川村から、昔から使われている熊手や
ほうき等の道具を持ってきて見せてくれました。
山にある身近な材料をうまく加工して、
どれもよく作られていました。


熊手は、公園で使っているものよりも隙間が
広くできていました。こうなっていると、余計な
ものは引っ掛からず、落ち葉だけがまとまり
やすくて、非常に使い勝手の良いものでした。








そして作業前にもう一つ。自然の維持管理作業
には、作業後のモニタリングがとても大事です。
今回はモニタリングという程ではありませんが、
前回の落ち葉かき後の林床を観察しました。



      
まだあまり変化は見られませんでしたが、ちょっとだけ芽を出しているものがありました(写真左)。
これはモミジイチゴという種で、生長するとモミジのような葉を付けるキイチゴの仲間(写真右)です。
けしてモミジの仲間ではありませんよ。


      
さて、観察が終わったら作業開始です。
前回と同じように、まずは枯れ枝を拾い、その後、熊手で落ち葉をかいていきます。



かいた落ち葉は、間伐材で作った
落ち葉貯めに入れていきます。









この地点は一見明るく見えますが、落葉樹が
これから葉を出すとだいぶ暗くなりそうですね。
その隙間を縫って入った光りが少しでも林床まで
届くよう、落ち葉かきの作業が必要となります。



落ち葉をかいた後はきれいさっぱり。
光りが入りやすくなった林床で、
今後どういう変化が見られるか楽しみです。









お昼を挟んで午後は環境に関する記事の
発表からスタート。今回は間伐材の有効利用
についてもみんなで意見を出し合ってみました。



午後の作業場所へ行く途中、毎年きれいな花を
咲かせているニリンソウの群落を見ました。
今年もしっかり春の訪れを教えてくれていました。




午後はもともと植林地だった樹林で間伐作業を
行いました。ただ、数日前の強風で折れた枝が
そこかしこに落ちていて、まずは枝拾いからの
スタートでした。




      
ある程度間伐作業をしたあと、今回は早めに切り上げ、
出た間伐材を利用して皆それぞれ好きなものに加工してみました。
石川先生も必死に何かを作っています。右の写真はお箸でしょうか?



時間や道具に限りがあったため、今回はあまり
色々なものはできませんでしたが、こういった
工夫が間伐材の利用につながれば、樹林の
維持管理がもっと活発に行われ、豊かな森が
増えていくきっかけになるかもしれませんね。



これで2009年度の研修会が終了しました。
4月からはこの研修会も6年目に突入します。今後も、現場でビオトープについて学べる研修会として、充実した内容をご提供していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

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第58回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 樹林環境の順応的管理 ―

2月の研修会は、園内の樹林地の順応的管理として、
常緑低木の間伐や落ち葉かきを行いました。


2月20日。気温は低いものの、天気に恵まれて
穏やかな気候の中、研修会がスタートしました。






今回のテーマである樹林環境の順応的管理
として、午前中は落ち葉かきを行いました。



落ち葉かきというと、難しい作業ではあり
ませんが、その中にも上手く効率的に
やる方法がちゃんとあると、講師の
石川先生から説明を受けます。








まずは、落ち葉かきをする場所に落ちて
いる枝をあらかじめ拾っておきます。
そうすることで熊手に枝が引っ掛かからず、
作業効率が上がります。


そのあとに、熊手で落ち葉をかきます。
このとき、できるだけ林床の面に沿って
かくのがポイント。








そして集めた落ち葉を、落ち葉貯めに運んで
いきます。このときも、一回で多くの落ち葉を
持ち運ぶコツがあるとのことでしたが、
なかなかうまくはいかないようです。


落ち葉貯めは、以前ここで出た間伐材で
つくったものです。一昨年に入れた落ち葉は、
下の方でだいぶいい腐葉土になっていました。








落ち葉をかいた場所を見てみると、
それまでは目立たなかった植物たちが、
密かに生長してきていたのがよく分かります。


作業の後、これまた間伐材を使って四角く
ベンチを作り、その中にどんな植物があるか
を探してみました。




      
結果、3m×4m程度の中に、7種類の植物を見ることができました。
写真は左から、ジャノヒゲ、シラカシ、イヌツゲです。

今回落ち葉かきをしたことによって、光りがより多く林床に届くようになりました。
今後どんな植物が出てくるのか、それとも出てこないのか、楽しみですね。


お昼を挟み、午後は恒例の気になる環境
記事の発表からスタート。いつも様々な
記事が発表され、私たちも勉強になります。




      
そのあとは、園内の様々なタイプの樹林を観察していきました。
写真左から、これまで全く管理をせずヒサカキがかなり優先している樹林、昆虫の森として
昆虫の好むような雑木林としてずっと管理している樹林、2005年に間伐を行った樹林です。




      
そして最後に、もともと植林地であったが今は管理されていない樹林を観察しました。
一見、全て昆虫の森のような雑木林としてしまった方が環境は良さそうですが、
このように園内に色々なタイプの樹林があることは観察にも良いですし、それが
多様性にも繋がっています。それぞれの環境を好む生物もいるのではないでしょうか。


      
作業時間はあまりありませんでしたが、最後にノコギリを使って間伐し、その木をナタで細かくし、
粗朶や杭として使えるように整えたところで、今回の研修会は終了となりました。



次回3月22日(土)は、引き続き樹林環境の順応的管理を行います。
まだ現場研修会に参加されたことのない方は、是非参加してみてください。

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第56回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 湿地と樹林環境の順応的管理 ―

今回の研修会は、座間谷戸山公園の運営会議からの依頼で、谷戸の湿地の
管理作業を午前中にやることになりました。午後は樹林環境の順応的管理です。

当研究所のプロ講座受講生で、現在は
公園管理者の一員として働く齋藤さんから
説明を受け、ボランティア団体と一緒に
谷戸の湿地の草刈り作業を行いました。





この時期に刈っておけば、春に色々な
植物が出てきやすくなります。とはいっても、
この時期の湿地の草刈りは大変です。
枯れ草の表面にはうっすらと霜が。。



その中で特に大変だったのが、ガマ・ヨシの
抜き取り。土中で地下茎を横にのばして
増えるこれらの植物は、土を掘って根から
全て抜かないといけないからです。







抜き取りは完全にはできませんでしたが、
みんなで協力してなんとか全体の草刈りは
終えることができました。



その後、改めて湿地のことや
今回の作業についての詳しい説明を受け、







刈ったあとを耕し、さらに色々な植物が芽を
出しやすいような環境をつくってあげます。
この場所で今回のような作業は初めてなので
春が楽しみです。これで午前中は終了です。



お昼休み、日なたでご飯を食べていると、
受講生がモズの‘はやにえ’を発見しました。
どうやらコバネイナゴを捕らえたようですね。







午後は恒例の環境に関する記事の発表
からスタート。月に一回ですが、毎回
色々な情報が発表されます。




     
次は、昨年も間伐を行ってきたコナラとイヌシデが中心の樹林地での作業です。
昨年間伐した常緑樹のヒサカキとシラカシの株からは、いくつもの細い枝が萌芽していました。
(写真右の左側がヒサカキ、右側がシラカシ)





切り口ではなく、脇から萌芽してくるんですね。







これは萌芽した枝ではなく、ドングリから芽を
出したシラカシの実生です。根がまっすぐ下に
伸びるほど、ここの土は柔らかくていい土だ
ということが分かります。



今回は萌芽した部分をみんなで刈っていきました。







場所は変わって、ここはスギ・サワラが植林
された樹林地です。昨年から間伐を行って
いるところですが、今回は時間の関係で
解説と観察のみとしました。


植物を観察する際、見ることも大事ですが、
匂いを嗅いだり、手で触ってみたりすることも
とても大事です。みなさんも植物を観察する
時は実践してみてください。




園内の水鳥の池を眺めると、
もうすっかり冬の景色でした。


これで今回の研修会は終了です。
湿地も樹林もそうですが、現場に行くと教科書にも載っていないような色々なことをいっぱい感じることができます。きっと貴重な経験になると思いますので、まだ参加されたことのない方は、是非一度参加してみてください。
次回の1月16日(土)は、樹林環境の順応的管理を引き続き行っていきます。

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第55回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 湿地と草地環境の順応的管理 ―

今回の研修会は、先月に引き続き「谷戸の水路(ホトケドジョウのビオトープ)の再生」と
「野鳥の原っぱの順応的管理のための調査」を行いました。


     
冬晴れの谷戸山公園は、紅葉の赤や黄色、刈り穂から伸びた葉の緑も鮮やかでした。
そんな穏やかな天気のもと、研修会のスタートです。





     
先月の水路再生を行ったところは緩やかな流れができていました。
今回はその水路を湧水地点までつなげました。





     
この谷戸は現在カサスゲ・ミゾソバ群落の湿地となっていますが、
泥が堆積して徐々に陸地化し始めています。
そこで、湧水地点に堰を設けることで水位を少し上げ、溜まりを作ることにしました。





     
そうすることで泥の堆積し始めたところにも十分な水が行き渡り、湿地環境が維持できる
ようになります。堰といっても、コンクリートのような完全に水を止めるものではなく、
間伐した枝葉と泥で水を緩やかに堰止めるものです。





     
並行して周辺の林の間伐を進めます。ここで出た材を堰の材料として再利用すれば、
わざわざ外から材料を持ち込む必要がないのです。





     
作業の途中、ヤブコウジやヒヨドリジョウゴの赤い実を見ることができました。
(ヤブコウジは、センリョウ、マンリョウと並び十両とも呼ばれます。)





     
堰完成。左が直後、右が1時間後です。水がたまり始めています。もう少し水位が上がれば、
湿地側に水が浸み出していくでしょう。この溜りは渇水期のホトケドジョウのすみかにもなります。


今回再生した水路や堰は順応的管理、つまりモニタリングをし、問題が発生したらさらに改善する
という管理を繰り返し、ホトケドジョウや多くの生きもののビオトープとしていきます。
これで午前の研修は終了です。






昼食後は、気になる環境関連記事の発表ですが、天気も良かったので芝生に座って行いました。
参加者それぞれ興味が違うので、様々なテーマの記事を知ることができます。





     
続いて、午後の研修「野鳥の原っぱの植生調査実習」スタートです。
「オギ群落」、「ススキ群落」、「夏に刈り取りを行ったススキ群落」で植生調査を行いました。
左がオギ、右がススキ群落です。






それぞれの地点で5m×5mのコドラート(方形区)
を設定して調査を行います。ここは夏に刈り取り
を行ったススキ群落で、背の低い草地です。






オギ群落は高さが3mにもなり密植している
ので、コドラートを設定するだけでも大変です。




     
地点ごとに植物種名、被度・群度(ブラウン・ブランケ)などを調査シートに記入していきます。






班ごとに分かれて調査を行った後、全員集まって植物種の確認を行いました。
夏に刈り取りを行ったススキ群落では22種、ススキ群落では18種、オギ群落では14種の植物を確認。





     
調査から「夏に刈り取りを行ったススキ群落ではキンエノコロやチカラシバ、エノキグサなど
明るい草地で生育する植物が他の調査区に比べ多く見られたが、ススキは花をつけていない」
「オギ群落は種数も少ないが、光が遮られるからか個体数が極端に少ない」等、
多くのことを読み取ることができます。


このような調査を継続して行うことで、野鳥の原っぱを目標とする姿に近づけるには
どう管理したら良いか、それを維持していくためには1年に何回、どの時期に
刈り取りをすれば良いかなどを明らかにすることができます。



これで今回の研修会は終了です。環境による植生の違いなど、現場でこそ感じられるものもありますので、まだ参加したことのない方は是非参加してみてください!次回は、間伐など樹林環境の植生管理を行う予定です。
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第54回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 湿地と草地環境の順応的管理 ―
今回の研修会では、今年の5,6月に行ったホトケドジョウの
ビオトープ再生の続きで谷戸の水路の造成、そして午後は、前回に
引き続き野鳥の原っぱの順応的管理のための調査を行いました。


まずは研修会の内容を講師の石川氏に
説明してもらいます。4ヶ月ぶりとなる
ホトケドジョウのビオトープ再生についても
しっかり解説してもらいます。




5,6月に途中まで造成していた水路は、
崩れたりせずしっかりとした形で残っていました。




   
ということで、引き続き湧水地点に向かってホトケドジョウのビオトープとなる
水路を延ばしていきます。





   
途中、水路があまり暗くならないように、山側にあるヒサカキやシラカシなどの
常緑樹を切っていきました。切ったものは細かい枝葉を落として…





   
杭や粗朶として水路の造成に活用します。





常緑樹を切っていると、マヨネーズと
揚げ玉のゴミがいくつも出てきました。
これ、誰の仕業だか分かりますか?

正解は、カラスです。
カラスは油が大好きなので、これらを
拾ってねぐらに持ってきたのでしょう。



そして作業終了です。今回はあまり人数が
多くなかったのですが、それでもしっかり
水路を延長することができました。



昼食後は恒例の環境に関する記事の発表
です。テキストの勉強や現場実習も大事
ですが、日々の動きに目を向けておく
ことも、とても重要です。






   
午後は前回に引き続き、野鳥の原っぱで調査の実習です。
前回図面上に位置を落とし込んだ周辺の樹木を基準に、原っぱの位置を計測
していきます。樹木と原っぱの位置関係も、この場所のひとつの特徴となります。




   
一概に原っぱといっても、単一な環境ではありません。
両写真ともほぼ中央を境に、右側が半年以上前に草刈りをした区域、左側が草刈り後
3ヶ月弱経った区域です。管理によってだいぶ環境が変わってくるのがよくわかります。




   
また、同じように見えても、生育している植物の違いによって、細かく環境を分けることもできます。
写真(左)では分かりづらいですが、真中が踏み固められた道になっていて、
それを境に植生が微妙に異なっていました。これも位置を計測していきます。






計測も一見簡単そうですが、なかなか難しい
ものです。経験を重ねることが一番ですね。





完成した図面です。
こうやって原っぱの現状が分かってくると、
今後の管理の計画を立てやすくなるんですね。


調査中、原っぱのススキの上には
ナツアカネが飛んできていました。


これで今回の研修会は終了です。次回は引き続きホトケドジョウのビオトープの再生と、野鳥の原っぱの調査実習を行います。現場でビオトープが学べる絶好の機会ですので、まだ参加されたことのない方も是非一度ご参加ください!
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第53回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 湿地と草地環境の順応的管理 ―

今回の研修会は、湿地環境の順応的管理というテーマで
湿生生態園のヨシ刈り、後半は野鳥の原っぱと呼ばれている
草地の順応的管理のための調査を行いました。

   
谷戸山公園の水田では、稲穂が頭をたれ、お米の芳しい香りが漂っていました。
そして、根元にはコナギがきれいな花を咲かせていました。



朝からの強い雨で、研修会は屋内での
スタートとなりました。試験直前にもかか
わらず、6名の方が参加してくれました。



谷戸山公園運営会議の方が、今回作業を行う
草地環境について説明してくださいました。
雨が小降りになったのを見計らって、
植生調査実習の開始です。



調査をする際には、調査地の地図を作成し、
記録していくことが重要です。まずは、草地と
樹林との境界を地図上に記録していきます。



   
基準点から巻尺で距離を測ります。この2点間の長さを基準とし、
草地に一番近い樹木を頂点とした二辺を、測量していきます。




これらの長さから三角形を描き、
樹木の位置を地図上におとします。




さらに、草地の際も明確にしていきます。




   
地点とした樹木の種類や幹周なども記入します。出来上がった地図を見ると、
はじめに思っていたより草地環境の範囲が小さく、樹木が多い事がわかりました。
飛びながら見下ろしている鳥や昆虫などからは、そのように見えているのでしょうか。




昼食後は、恒例の「最近気になった環境に
関するニュース」の発表です。少人数だった
事もあってか、和やかな発表会となりました。




午後は、刈取りしてから2ヶ月弱の
ススキ・オギ原の植生調査を行いました。




   
ススキの根元には、寄生植物であるナンバンギセル(写真左)が確認されました。また、
刈取り後明るくなったところには、キツネノマゴ(写真右)など、50種以上が見られるようになりました。




今後も植生調査を続けて、検証し、
今後の管理につなげて生きたいと思います。

これで、今回の現場研修会は終了です。まだ参加されたことのない方は、是非一度ビオトープを肌で感じられる研修会に参加してみてください!お待ちしています!
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第52回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 湿地環境の順応的管理 ―

今回の研修会は、湿地環境の順応的管理というテーマで
湿生生態園のヨシ刈り、後半は野鳥の原っぱと呼ばれている
草地の順応的管理のための視察を行いました。


今回はお盆の時期にもかかわらず、多くの
受講生が参加してくれました。講師から公園の
管理方針と作業内容の説明があり、気持ちの
良い晴天の中、研修はスタートしました。


午前中は、湿生生態園の繁茂しすぎた
ヨシの刈り取り作業をしました。
水際を明るくすることで、多様な植物が
生育できる環境を創出していきます。


こちらは、1ヶ月前にもヨシの刈り取りをした水路
です。水路際には、一般的にはよく生長し繁茂
するミゾソバ、ドクダミなどヨシ以外の植物も見受け
られましたが、光不足からか草丈は低いようでした。


昼食後は、恒例の「最近気になった環境に
関するニュース」の発表です。生物多様性や
温暖化についてなどは、やはり皆さん
気になっているようですね。


午後は、植生管理をしている湿生生態園の
湿地環境を理解するため、簡単な植生
調査を行いました。それをもとに、各自で
水辺のエコトーンを図にしてみました。



   
池と水路の2ヶ所で、生育している植物の種や生長状況、生育場所を確認します。

   
完成した図がこちらです。
この図を見れば、その水辺の植物相や優先種、そして現在と管理後の
生育状況の変化が把握でき、より順応的な管理がしやすくなります。


   
その後は、公園の運営会議で草刈りの時期を検討中の、ススキ・オギの草原へ移動しました。
右の写真の手前は刈り取って数週間、奥は半年程前にそれぞれ刈り取ったススキ・オギ原です。
しかし、既に手前側でも、ススキやオギは20〜30センチ程まで生長していました。


   
左の写真の、刈り払ってから1年程経ったオギは、3m程の高さにまで生長しています。
こちらでも、湿生生態園と同じように刈り取りの時期による植生の違いを観察できました。
次回はこの草原の植生調査を行うので、より詳しい植生の違いを把握できるでしょう。

    
今回も研修中、たくさんの生きものに出会いました。写真左から水を飲むクロアゲハとキチョウ、
たくさん見かけたアブラゼミ(写真は抜け殻)、カントリーヘッジにいたカブトムシです。

これで今回の研修は終了です。次回は、湿地環境の植生管理作業と、草地の調査を行います。いつも参加されている方はもちろん、まだ参加されたことのない方や、久しく参加していない方も是非ご参加ください。お待ちしています!
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第51回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 湿地環境の順応的管理 ―

今回の研修会は、午前中に湿地環境の順応的管理というテーマで、
湿生生態園のヨシ刈りと、午後は、2005年に樹林管理で間伐を行った
地区の林床植生調査を行いました。


今回も晴天の中、研修会がスタートしました。
まずは、作業の意味や理由などをしっかりと理解しな
がら行うために、講師からの研修内容の説明です。



午前中の作業は、湿生生態園のヨシ刈りです。
今年もヨシの葉を梯子のように繋げた、タテシマノメ
イガという蛾の仲間の巣がたくさん確認できました。


こちらは一ヶ月前の研修会で、ヨシを刈った
水路です。もうすでに、ヨシが生長してきています。



      
左が作業前の池です。覆っていたヨシを刈り取って明るくすることで、
他の植物も出てきやすい、多様な環境になることが期待できます。




ヨシ刈りの間に見つけた植物も、
図鑑を使って調べます。



作業後の池です。先程までヨシに覆われて
いた水面が、かなり開けてきました。


一般の方も使うデッキですから、
作業後はみんなで清掃します。



午後は恒例の「最近気になった環境に
関するニュース」の発表からスタート。
その後、コナラ−イヌシデ林の間伐後の
林床植生調査を行います。


写真の手前は4年程前に、奥側は数ヶ月前に
間伐した地区です。手前の地区では萌芽更新
が始まっているのが、分かると思います。


      
4年程前に間伐した地区で見られた植物を一人3種探し、種を調べました。
葉の生え方、葉の形、匂いなど、色々な特徴を捉えて調べていきます。


      
その後、数ヶ月前に間伐した地区でも植物を探しましたが、その数はかなり少数でした。
間伐して4年後の場所と、数ヶ月前まで暗かった場所では、林床に入る光りの違いで
見られる種やその数が大きく異なってくることがよく分かりました。


    
今回も研修中、たくさんの生きものに出会いました。
写真左からゴマダラカミキリ、ヨツスジトラカミキリ、ベニシジミです。
これで今回の研修は終了です。次回は、湿地環境の植生管理作業を行います。ますます生きもの達の活動が活発になる時期ですので、研修中に彼らのイキイキとした姿を間近に観察もできます。是非この機会に、奮ってご参加ください。
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第50回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 湿地環境の順応的管理 ―

今回の研修会も、湿地環境の順応的管理というテーマで、
湿生生態園のヨシ刈りと、ホトケドジョウのビオトープの再生として、
谷戸の水路の造成作業を行いました。


谷戸山公園のある神奈川県は梅雨晴れで、
青々とした稲穂の育つ田んぼには、カルガモの夫婦
が探餌するのんびりとした風景が見られました。




まず初めに、講師から谷戸山公園運営会議で
決めている管理方針や、本日の作業内容
などの説明があります。


      
こちらは昨年、ホトケドジョウの生息環境の再生のために、陸地化してしまっていた水路を
復活させた場所です。一年経ちましたが、粗朶の土止めがちゃんと機能し、水路が保たれています。


      
上段のような水路の復元のために利用する、間伐材を移動するところから、作業スタートです。
数ヶ月程前まで行っていた、雑木林の管理作業の際、出た間伐材です。



午前中の作業は、湿生生態園の全体を覆って
しまう程の勢いのある、ヨシの刈り取りです。


他の植物の生育を妨げてしまうヨシを刈り、
多様な生きものが暮らせる環境になるよう考え
作業していきます。

      
ヨシに覆われていた水路も、だんだんと見えてきました。
水面が開けたからでしょうか?
水路の溜りに、オオシオカラトンボの夫婦が産卵に訪れてくれました。(写真右)




デッキや園路は、作業の後ちゃんと清掃します。
もちろんこれも、一般の公園利用者に気持ち良く
利用してもらう為の、管理作業です。



昼食をすませて、恒例の最近気になる環境の記事
の発表です。今回も、非電化についての話から、
各地で行なわれている、ホタルの放流の是非など、
様々な興味深い記事や意見が出ました。



      
午後は、谷戸の水路の復元作業です。ホトケドジョウがこの場所に戻ってきてくれるよう、
水辺のエコトーンが再生できるよう、など、生きものの視点で管理作業を進めます。
初めに運んだ間伐材を使って杭を作り、水路沿いに打ち込んでいきます。




打ち込んだ杭の内側を、掘っていきます。


完成はまだ先ですが、ひとまず水路の
形が出来てきました。
水路造成の研修は今回で一時中断し、
また9月頃に再開する予定です。

      
今回もたくさんの生き物に出会いました。写真は左から、クロイトトンボ、サワガニです。


これで、今回の現場研修会は終了です。参加者の皆さん、お疲れ様でした。
次回は、今回と同じく湿地環境の植生管理作業とともに、以前行った間伐地区の植生調査も行います。皆さん、奮ってご参加ください!
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第49回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 湿地環境の順応的管理 ―

今回の研修会は、湿地環境の順応的管理というテーマで、
茂りすぎているヨシ,ガマ等の刈り払いと、ホトケドジョウの
ビオトープの再生として、谷戸の水路の造成準備を行いました。


まず初めは、講師から研修内容の説明です。
単なる作業にならないよう、ビオトープの考えを
もって進めている作業であることを再確認します。



今回は湿地で繁茂しすぎたヨシ、ガマ、
ミゾソバを刈っていきます。そのために
まずウェーダー(胴長靴)を履きます。


準備が整いましたが、今回は湿地の中でいくつか
生育が確認されていた、神奈川県で絶滅危惧種
にも指定されているミズニラが他にも生育してい
ないかチェックしながら、作業を進めていきました。




今回は17名の参加者がいたおかげで、
作業がかなりはかどりました。

      
作業前は高く育ったヨシとガマとミゾソバで覆われていた湿地ですが(写真左)、
それらを刈っていくだけでかなり水面が出てきました(写真右)。
ということは、他の植物があまり生えてこれない環境だったということですね。



その中でも何とか確認されたミズニラには
マークをつけておきます。
これで午前中の作業は終了です。

午後は恒例の環境に関する記事の発表からです。
今回も受講生それぞれの視点で記事を
持ってきていて、とても面白い時間でした。



午後はホトケドジョウのビオトープ再生として
谷戸の水路の造成準備を行うため、
まずはその説明からです。


これが谷戸の奥の湧水に続く場所です。
一面が湿地となり、カサスゲという湿生
植物に覆われている状況です。



      
そこを、以前そうだったように、林縁に沿って水路を造成することで、ホトケドジョウのビオトープ
として再生していきます。今回はその準備段階でカサスゲなどを刈っていきました。

来月からは本格的に水路の造成を始めていきます。
ビオトープを学びながら、ホトケドジョウのビオトープを再生していきますので、
みなさん是非ご参加ください。




最後に、今回見ることができた生きものの写真です。

      
昼休みには、タマムシを発見しました!本当にきれいな緑の光沢ですね。近くにはベンチとして
利用している木が朽ちており、その中で幼虫から成虫に育ったタマムシが顔を出していました。

      
これは公園にある田んぼと、その脇の水路で見ることができた、
シュレーゲルアオガエルとヤマサナエです。

現場研修会では、研修の中身以外の部分でも、実際に色々な生物に出会えたりするので、
普段あまり現場に出ていない方などには、勉強になるとともに、とても楽しい時間になると思います。まだ参加されたことのない方も、ぜひ一度現場研修会に参加してみてください。
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第48回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 樹林環境及び湿地環境の順応的管理 ―

4月18日、今年度の最初の研修会を開催し、
座間谷戸山公園での研修会も5年目に突入しました。

今回はホトケドジョウのビオトープ再生という内容を予定していましたが、
若干内容を変更し、ホトケドジョウの水路造成のための間伐材加工および、
春に見られる植物の観察を行いました。



5年前に作業を始めた湿生生態園ですが、
ヨシの勢力をかなり抑えてきたことで、
少しずつ環境も変わり、他の植物も観察
しやすくなってきました。



その湿生生態園の中に入り、植物を
探してみました。


これはツボスミレ(別名ニョイスミレ)。
ここでは講師に教えてもらうだけではなく、
図鑑を持参した受講生がそれぞれに調べて
同定していました。



現場で自ら観察し調べるということは、
教えてもらうより数倍も勉強になります。
これはなんという植物か分かりますか?

観察後は、以前ホトケドジョウのビオトープ再生を
行った水路を見学。専門家によると、ここは若干
水深が深かったようなので、次回はもう少し浅めの
水路にしていく必要があります。生きものの気持ち
になってビオトープを再生するというのは、簡単では
ないんですね。



その水路の造成に利用する杭や粗朶は、
冬場の樹林管理で出た材料を加工して利用します。


樹林環境の管理と湿地環境の管理、うまく
連動して行うことで、無駄が出ないんですね。


さて、お昼を挟み、まずは恒例の「気になった
環境記事」の発表です。今回は園内の
「森の学校」にて発表しました。



  
今回は現場に移動する途中にも色々と観察することができました。
写真左から、ベニシジミ、モンキアゲハ(羽化したてでした)、ムサシアブミ。




午後の作業は前回までの続きで、植林地の
間伐作業を行いました。ここは作業がまだたくさん
残っている場所なので、まだまだ暗いですね。


最後に研修内容のまとめや質疑応答などを
行い、今回の研修会は終了です。

次回からは、ホトケドジョウのビオトープ再生、湿生生態園の管理作業などを行っていく予定です。まだ参加されたことのない方も、ぜひ一度現場研修会に参加してみてください。
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第47回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 樹林環境(雑木林)の順応的管理 ―

3月21日(土)、今回の現場研修会は、
先月に引き続き樹林環境(雑木林・植林地)の順応的管理というテーマで、
園内のあまり手を入れていない樹林地の皆伐・間伐作業を行いました。


    
春の陽気につつまれた谷戸山公園。コブシが花をつけ、ヤナギが芽吹いています。
田んぼの畦では春の七草のひとつハコベが咲いていました。




さて、これまで管理作業を続けてきた
樹林での間伐から研修会スタートです。



    
間伐を続けてきた成果でしょうか。春の明るい林床ではコナラの実生やスミレなどが見られました。



でも、林床は明るく見えますが、樹冠を見上げ
るとまだ木が混んでいるのが分かります。
夏になり葉が茂ると暗い林になってしまうんです。
実はこの林、皆伐更新の実施が決まっています。


ある程度の広さを一斉に伐採することで効果
的に萌芽更新をさせ、林を若返らせるのです。
クヌギやコナラなどは切り株からの萌芽力が
強く、伐採しても10数年で元の林に戻ります。


里山では薪炭を得るために普通に行われて
いたこの作業も、今はあまり行われなくなっ
ています。皆伐に向けて、のこぎりで切れる
太さの木はできるだけ伐採しておきます。


昼食と、恒例の「気になった環境記事」の
発表をはさんで、午後の作業開始です。


    
現場に向かう途中、秋に作業したホトケドジョウの水路を見学。
わきみずの谷では春植物ニリンソウが花を咲かせていました。



午後は放置された植林地の管理作業です。
この樹林は常緑樹に覆われ、昼でも真っ暗です。


    
そんな暗い林床でも植物は頑張って生きています。
左がコクラン、右がトウゲシバで、この植生を見ても暗い環境だということが分かります。
踏んだり傷つけたりしないよう、しっかりマークしてから作業を行います。



    
データと照合しながら間伐する木を確認し、伐採していきます。


    
作業にノルマはありません。休憩したり、切った木の年輪を数えたり、写真を撮ったり、
知らない植物を図鑑で調べたりしながら。




伐採した分だけ森が明るくなるのが分かります。


最後にデータをまとめて、研修会の終了です。

次回以降の研修会も、樹林の管理やホトケドジョウの生息環境づくり、湿生生態園の管理作業などを行っていきます。まだ参加されたことのない方も、気軽にご参加ください。

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第46回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 樹林環境(雑木林)の順応的管理 ―

2月21日(土)、今回の現場研修会は、
先月に引き続き樹林環境(雑木林・植林地)の順応的管理というテーマで、
園内であまり手を入れていない樹林地の皆伐・間伐作業を行いました。


2月になり、座間谷戸山公園もウメが
しっかり花をつけていました。(写真左側)



内容は前回と同様、午前中は雑木林での
伐採作業です。今回はその中で皆伐(ある
範囲の森林の木を一度に全て伐採すること)
予定地の伐採作業を行いました。

繰り返し参加されている受講生は、
慣れた手つきで作業を進めていました。



まだ作業をしていない場所はというと…
こんなにも暗いんです。これでは新しく芽を
出そうとしても、圧倒的に光が足りません。

これくらいなら大丈夫!と思いますが、落葉樹
なので春から葉が出はじめれば、すぐに林床は
暗くなってしまいます。なので、萌芽更新をしていく
ためには、皆伐のようにもっと伐採が必要ですね。




今回は、実際に林業に従事している方にチェーン
ソーによる高木の伐採なども行ってもらいました。
    
また、今回は現場で板材などに加工ができるチェーンソーのアタッチメントを使用し、
そのデモンストレーションを行いました。きれいに加工できているでしょうか??


次に、2年近く前に間伐材で作った落ち葉溜め
を試しに掘り返してみました。中はやわらかい
腐葉土になっていて、その中には・・・



いました!カブトムシの幼虫です!!
この落ち葉溜めを産卵場所として選んでくれ
たんですね。これも立派なビオトープです。

昼食後は、環境に関する記事の発表です。
ここではビオトープに限らず、エネルギー問題、
企業の環境への取組み、環境政策など色々なこと
についての話題があがり、とても勉強になります。



午後も前回と同様、植林地の間伐作業です。
ここはまだ伐採を始めて2回目なので、
まだまだうっそうとした森という感じですね。

前回作業を行った方がリーダーとなり、
伐採の進め方などを初めての方に教え
ながら作業を進めていきます。




雑木林での作業と同様に、伐採した木は
一定の長さに切り揃え、材料として今後
色々なかたちで利用していく予定です。

まだまだ伐採予定の木は残っていますので、まだ参加されたことのない受講生の方は、是非一度森での作業を体験しに来てください!

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第45回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 樹林環境(雑木林)の順応的管理 ―

1月17日(土)、今回の現場研修会は、先月に引き続き樹林環境(雑木林)の順応的管理という
テーマで、園内であまり手を入れていない樹林地の間伐作業を中心に行いました。


まずは研修内容の説明です。ただ作業をやる
だけでは意味がないので、何故その作業をす
るのかしっかりと理解してやることが重要です。



午前中は先月に引き続き間伐作業です。
これは、樹冠で葉を広げて影をつくる木を切り、
林床に光を届かせることによって、萌芽や
下草の生育を促すためです。そうすることで
雑木林が更新していくんですね。

前回からはある程度大きな木も伐採しています。
これは樹齢30年余りのシラカシです。




伐採した木をベンチにして休憩中。
こういった時間も講師から色々な話が聞けたり、
質問したりできるいい時間になっています。

これは、雑木林にあるイヌシデの冬芽。
この状態で冬を耐えしのぎ、
暖かい春を待っているんですね。



昼食をはさみ、午後は恒例となった環境に
関する記事の発表からスタートです。
環境といっても色々な話題がありますから、
それぞれの発表内容は様々でとても面白いです。

作業は場所を変えての間伐です。
同じ園内でもここはもともと植林地のため、
スギやヒノキがたくさん植わっている場所です。



樹冠を見てみると、かなり覆われていますね。
これが夏になれば、もっと暗くなってしまうでしょう。
これではなかなか雑木林は更新していきません。

この地区では、講師が立てた伐採計画を
受講生に渡し、受講生が委託された側となって
間伐を進めるという形で作業を行いました。



場所を3つに区分けし、3人1組で
1つの地区を担当しました。

3人で樹種と位置を確認し、若い木などから
伐採していきました。どのように進めるのが
効率よく無駄がないか、参加者の皆さんも
よく考えながら作業を行っていました。



林床にはマンリョウが小さく実をつけていましたが、
マンリョウは直射日光を嫌い、日陰でやや湿り気
のあるところを好むので、まだ植物にとっては暗い
林床だということが分かりますね。

伐採計画に沿った間伐はまだ終わっていませんが、終わって林床にもっと光が入るようになれば、もっと多様な植物が現れ、雑木林の更新も進んでいくことでしょう。

次回の現場研修会も引き続き間伐作業を行っていきますので、興味のある方、まだ参加されたことのない方は是非ご参加下さい!

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第44回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 樹林環境(雑木林)の順応的管理 ―

12月20日(土)、今回の現場研修会からは樹林環境(雑木林)の順応的管理というテーマで、
園内であまり手を入れていない樹林地の間伐作業を中心に行いました。


12月にしてはあたたかく、
穏やかな陽気の里山。


そんな冬晴れの谷戸山公園で現場研修会スタート。
今回のプログラムは「樹林環境の順応的管理」です。


去年から間伐や下草刈り等の植生管理を行って
いる場所です。だいぶ明るくなってはいますが、
林床植生にあまり変化はみられませんでした。



一見明るく見える林も、夏場は落葉樹も
葉を茂らせ、暗くなってしまうのです。
陽樹であるクヌギやコナラも発芽するようにな
りましたが、その後成長できていないことから
も、林床の照度が足りないことが分かります。


そこで、萌芽更新(皆伐更新)を行っていくこと
になりました。これまでは鋸や鉈だけで作業を
していましたが、大規模な伐採となることから、
今後はチェーンソーを使った伐採もしていきます。


今回は最初ということで、林業に従事してい
る方にチェーンソーの使い方や注意点、
樹木の伐採の仕方などを実際に目の前で
見せていただきました。


昼食後は、恒例となった環境に関する記事の
発表です。色々な人がそれぞれ気になった
事柄を見つけてくるので、知らないことが
沢山出てきてとても勉強になります。


午後は、前回までに行った「ホトケドジョウの
生息環境整備」の一環で再生した水路の見学
からスタートです。苦労して作業した水路は、
埋まることなくしっかりした流れとなっていました。


続いて、スギ・ヒノキなどの植林地の観察です。
ここも管理されずに放置された結果、シラカシや
イヌシデなどが進入し、真っ暗な林になってしまいま
した。今後どのように管理すべきか検討していきます。


さて、午前中の場所に戻って作業再開です。
萌芽更新するエリアの樹木を伐採していきます。



チェーンソーの威力を知ってしまうと手作業は
つらく感じてしまいますが、力を合わせて、地道に。



今後の管理作業に利用できるよう、まっすぐな幹を
90cm・120cm・180cmに切りそろえ、枝は粗朶用
に集めておきます。細かい枝葉は落ち葉溜め
に入れて堆肥化します。ごみは一切出しません。


最後に・・・チェーンソーアート「フクロウ」です。
チェーンソーの扱いに慣れるとこんなことも
できるようになります。

これで今年の研修会はすべて終了です。来年も引き続き研修会を開催していきますので、興味のある方は是非ご参加ください。また、回を重ねて参加することでより理解が深まりますので、参加したことのある方も継続してご参加ください。

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第43回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 湿地環境の維持管理 ―

日に日に寒さが増してきましたが、作業をするには
体が暖まって丁度いい頃かもしれませんね。
今回の研修会は、先月に引き続き北谷戸の水路の再生と、
樹林地の順応的管理を行いました。


谷戸山公園も随分と紅葉できれいに
色づいていました。


午前中は、水路の再生に使う杭と粗朶(そだ)を、
樹林の間伐で出た木材でまかなおうと、
昨冬樹林管理を行っていた場所へ行きました。


これまでに出た材を、長さを揃えるなどして
使いやすくします。このように間伐で出た木材
を利用することも、樹林地の順応的管理の
一つと言えます。




初めて道具を使う受講生には、
ちゃんと道具の使い方も指導します。


ナタを使って間伐材を杭に加工していきます。
うまくできましたか?




昼をはさみ、午後の最初はそれぞれが関心のある
環境に関する記事の発表です。受講生によっても
興味のある部分は色々で面白いですね。

北谷戸の水路に行く途中、受講生が何かの
幼虫を見つけました。調べたところこれは蛾の
仲間でヤガ科のマダラツマキリヨトウでした。
シダ類を食草とするようですね。



さて、前月も作業をした北谷戸ですが・・・
無事に水路は形を崩さずに残っていました。
そして前月残った部分の作業に入ります。


まずは水路を再生する為に、陸地化して
しまったところを掘って水路に戻します。
山側の木がせり出して暗くなっていたところは、
伐採して少し明るくしてあげます。




参加者全員がホトケドジョウの気持ちになって、
水路を作っていきます。


掘ったあとは、土が崩れないように
水路沿いに先ほど加工した杭を立て、
粗朶を渡して土留めをします。





少し分かりづらいですが、
この写真の上部から水が湧き出ています。
やっとここまでたどり着きました。

昔見られていたホトケドジョウが好む環境、すなわちビオトープが、湧き水の流れ出している水路です。再生した水路にホトケドジョウが戻ってきてくれたら、本当に今回の作業が評価されることになります。早く戻ってきてくれるといいですね。

来月からは本格的に樹林の維持管理作業になります。興味のある方は是非参加してみてください!

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第42回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 湿地環境の維持管理 ―

朝にはポツポツと雨も落ちていましたが、
研修会開始時には雨もすっかり上がりました。
今回の研修会は、湧水の谷の水生生物調査、
南谷戸の棚田の植生管理、北谷戸の水路再生です。


今日1日の作業内容を説明して研修会スタート
です。まずは湧水の谷の水生生物調査から。




元々ホトケドジョウの生息場所であったこの場所
に、現在どのような生きものが生息しているのか
を確認するための調査を行いました。


残念ながらホトケドジョウは見られず、ギンブナ、
モツゴ、ヨシノボリ、ミズカマキリ、マツモムシ、
スジエビ、アメリカザリガニなどが確認されました。




アズマヒキガエルがたくさん集まって繁殖行動
をしていました。春に行われる繁殖行動は
10月も終わろうとするこの時期にはあまり
見られない行動です。どうしたのでしょう?


続いて、南谷戸の棚田の植生管理です。
昨年造成されたところですが、1年で植物に
覆われてしまいました。



これでは多様性が失われてしまいます。
今回はガマを中心に除去していきました。


ガマは地下茎をのばすので地上部を刈った
だけではまた来春出てしまいますから、
しっかり地下茎ごと抜きます。


そうして、開放水面、湿地状、植物の疎らな所、
藪状の所など、様々な環境を維持することで
多様性に富んだビオトープとなります。


午後は恒例の「最近気になった環境に
関するニュース」の発表からスタート。
そして、北谷戸の水路再生です。



ここは北谷戸の湧水が流れている場所なの
ですが、すっかり泥に覆われてどこが水路だか
分かりませんね。かなり陸地化してきています。


まずは泥を掘っていきます。
でも、掘ってもすぐに埋まってしまいます。




それでも掘り続けると、少しずつ水の流れ
らしきものが見えてきました。


樹林管理で出た間伐材を使って杭をつくり・・・


その杭を水路沿いに打ち込んで、さらに、
杭の山側に粗朶を渡していきます。
ちゃんと流れが復活していますね。


最後に、間伐材の枝葉を粗朶の隙間に詰めて
土留めの完了です。この水路は湧水までつなげて
将来ホトケドジョウの生息地の一つとなる予定です。



これで今月の現場研修会は終了です。参加者の皆さんお疲れ様でした。
次回もこの水路の再生作業を行う予定です。樹林の管理や、ホトケドジョウのビオトープ復活に向けた作業などに興味のある方は是非次回の研修会に参加してみてください。

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第41回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 湿地環境の維持管理 ―

今回の研修会は、引き続き湿生生態園の植生管理作業と、
かつては谷戸山公園でも生息が確認されていたホトケドジョウの
ビオトープとして、谷戸の湿生地の管理作業を行いました。


9月の研修会も天気に恵まれ、座間谷戸山公園
ではヒガンバナがきれいに咲いていました。



今回はビオトープの試験を5日後に控えていたにも
かかわらず、多くの受講生が参加してくれました。


午前は湿生生態園で植生管理作業です。
この時期はまだ植物の生長が早く、やはりヨシが
優先して生長してきます。それを刈り取ることで、
他の植物も出てきやすいようにしてあげれば、
少しずつ多様な環境になっていくはずです。



途中、湿生生態園にある植物について
簡単な調査を行い、これまでのリストと
比較してみました。

今までのヨシ刈り作業の甲斐もあってか、
これまでリストになかったヒメジソ等の
植物も見られました。


お昼休みの後は、最近恒例になった、気になる
環境関連記事の発表です。ビオトープ管理士として、
色々なことにアンテナを張っておくことも大切です。

      

午後の研修は、ホトケドジョウのビオトープ再生として7月にも作業をした棚田状の湿生地で、
再びヨシとミゾソバを刈りました。ここはヨシとミゾソバに水面が覆われていて、7月に刈った時と
比べても、既に水面が全く見えない状況でした。(左が7月の作業終了後。右が今月の作業前。)

さっそく作業開始です。
ノコギリ鎌を使ってどんどん刈っていきます。


2種以外にも大きなガマが出てきていました。
ガマもヨシと同じように地下茎を伸ばしてどんどん
繁殖していくため、ある程度刈り取っておきます。


この湿生地はちょうど野鳥観察小屋の目下に
あります。水面があれば、園内に営巣している
オオタカの水浴び場にもなるかもしれません。



もちろん、ヨシ、ミゾソバ、ガマ以外にも
色々な植物がちゃんと生育しています。
写真はオモダカです。



作業を行っている合い間に、誰かがヤゴを
見つけました。これはギンヤンマのヤゴです。
7月に採取したものよりだいぶ体は大きかったです。



これで作業終了です。
参加された受講生の皆さん、おつかれさまでした!



10月の研修会は、ホトケドジョウのビオトープ再生を中心に行っていきます。いつも参加されている方はもちろん、まだ参加されたことのない方や、久しく参加していない方も是非ご参加ください。お待ちしています!

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第40回神奈川県立座間谷戸山公園
現場研修会報告


―テーマ : 湿地環境の維持管理 ―

今回の研修会は、前回に引き続き湿生生態園の植生管理作業と、
かつて谷戸山公園でも生息が確認されていたホトケドジョウの
ビオトープを再生するための現況調査等を行いました。


稲穂も出始め、夏真っ盛りの谷戸山公園です。



今日1日の説明をして研修開始です。
まずは園内の視察から。


昨年水を抜いて改修された水鳥の池ですが、
期待された沈水植物の発生はまだ見られない
ようです。岸は木柵や石積みで護岸されており、
エコトーンの部分が足りないように感じました。


次に、わきみずの谷ですが、水が緑色なのが
分かります。周辺の土地利用のせいでしょうか、
湧水に窒素やリンが多く含まれ、富栄養化して
いるようです。



わきみずの谷の湧水池点です。
少し網を入れてみましたがホトケドジョウは
確認できませんでした。



そのかわりといっては何ですが、
オニヤンマの産卵を見ることができました。


谷戸山公園には他にも湧水があり、それを
いくつか見てみました。どこも泥が堆積していて
湧水量は少ないようでしたが、少し掘り込んで
みれば湧水の増加が期待できそうです。




森の学校で小休止。湧水の状況、ホトケ
ドジョウのビオトープとしての環境など
について話し合いました。




途中、アカボシゴマダラがエノキに産卵してい
ました。このチョウは日本では奄美大島周辺で
固有に分布する種でしたが、10数年前から関東
でも突然見られるようになり、生態系への影響を
考えない昆虫マニアによる放虫ではないかと
言われています。


昼食をはさみ、午後の作業は湿生生態園の
植生管理作業(主にヨシ刈り)です。増えすぎて
しまったヨシをコントロールし、多様な湿生
植物が見られるようにするために行います。



この作業にノルマがあるわけではありません。
なので、気になった植物はその都度調べたり、・・・



きれいな花が咲いていたら写真を撮ったりします。
これはミゾカクシ(アゼムシロ)です。
もちろん疲れたら休憩してもいいんですよ。




だいぶ作業も進みましたね。
この作業は2005年から続けていますが、
ヨシを抑えることは難しいです。でも、
これまで見られなかった植物が確認され
たり、少なかった植物の数が増えたりと、
確実に効果は表れているようです。


最後にまとめをして研修会は終了です。
参加された受講生の皆さん、暑い中お疲れ様でした。





来月以降も毎月研修会は開催されますので、いつも参加されている方はもちろん、まだ参加されていない方や久しく参加していない方も、是非ご参加ください。お待ちしています。


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